サンパウロ市では、デング熱、ジカ熱、チクングニア熱を媒介するネッタイシマ蚊(A蚊、学名より)の繁殖を抑える取り組みが、大きな困難に直面していると24日付アゴーラ紙が報じた。
サンパウロ市の保健局職員が、蚊の繁殖の危険があるところがないかと監査に入れない家屋があるのだ。今年初めから3月9日までに職員が入れなかった家屋は1万9千軒ある。
サンパウロ市保健局によると、職員が監査に訪れても、100軒辺り3軒では住民による立ち入り拒否にあったり、建物が放棄されていたりして中に入れなかったという。
サンパウロ市では既に、65万6939軒の家屋の立ち入り調査が行われたが、その内1万279軒で立ち入り拒否が起きた。また、8790軒は建物に入ることが出来なかった。
サンパウロ連邦大学(Unifesp)で感染症学を教えるセルソ・グラナート教授は「監査を受けなかった家屋が残れば、(監査をした家屋の住民にも)保健衛生上の危険が及ぶ可能性がある」としている。サンパウロ総合大学感染病部門の調査員で昆虫学者のパウロ・ウルビナッチ氏も「蚊の寿命は45日、生きている間にさらに200匹の蚊を産み出す。だから、水溜りなど、ボウフラがわきやすい所はとても危険だ」とした。