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リオ市=UPP設置後も続く抗争=昨年は5分に1回の銃撃戦

 五輪と市長選の年、リオ市では犯罪者同士や犯罪組織と軍警との銃撃戦が続き、流れ弾に当たって死亡した市民や銃撃戦で死亡した警官のニュースが後を絶たない。
 28日付G1サイトなどは、27日に起きた銃撃戦に巻き込まれた4歳男児が入院先の病院で死亡したと報した。死亡したのはリアン・ガブリエル君で、マドゥレイラ区に住む祖父母の家の前で遊んでいた時、胸に被弾し、ペーニャ区の病院に運ばれたが、28日朝、亡くなった。
 マドゥレイラ区での銃撃戦は27日午後4時頃起きた。今回の抗争は、セリーニャの丘を支配する麻薬密売組織が別の組織が支配するカジェイロの丘への侵入を試みたために起き、17歳の青年男子も流れ弾で両足に負傷し、レアレンゴ区の病院で治療を受けた。
 当地区での銃撃戦は27日に起きた抗争の一つに過ぎない。カスカドゥラ区では同日夜、フバーの丘の権力確保を競う麻薬密売組織とミリシアと呼ばれる犯罪集団との間の銃撃戦も起き、放火された車の脇で男性1人が死んでいるのが見つかった他、マンゲイラ区にある軍警平和維持駐留部隊(UPP)の警官と一般市民3人(男性2人、女性1人)が負傷した。アマンダ・ソアレス・ダ・シウヴァさん(24)は帰宅中で腹部に被弾し、治療後に帰宅した。
 リオ市での治安はUPP設置で改善されてきていたが、このところUPP設置地区での抗争事件は後を絶たない。昨年はUPP設置地区で5分に1回、計1800回の銃撃戦が起きた。
 3月21日付グローボ局ニュースは、昨年7月に設置されるはずだったマレー地区のUPPが資金不足で設置出来ずにいる事や、市警の赤字額は8千万レに膨れ上がっている事なども報じた。専門家は昨年来、「UPPは中流階級に誤った安心感を与えただけで、麻薬密売は続いている」と警告しており、州保安局の対策が注目されている。