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PMDBの鍵を握るテメル副大統領(Valter Campanato/Agência Brasil)
PMDBの鍵を握るテメル副大統領(Valter Campanato/Agência Brasil)

PMDBが連立与党離脱か=テメル調整でリオ支部宣言=他の連立党多数も後に続く?=ジウマの罷免阻止大ピンチ

 連邦政府の連立与党から、民主運動党(PMDB)の離脱が決定的となりつつあり、今日29日に行われる党大会で正式に決まる見込みだ。労働者党(PT)は、連立与党内最大党のパートナー離脱が、進歩党(PP)や共和党(PR)、社会民主党(PSD)などの雪だるま式離脱につながり、ジウマ大統領の罷免を加速化させるのではないかと恐れていると、26~27日付伯字紙が報じている。

 PMDBの離脱は、同党リオ支部が24日に連邦政府から離脱する意向を表明したことで決定的になった。同支部は党大会でも119票中12票を有し、党の中心的存在だ。同支部の代議員はエドゥアルド・クーニャ下院議長、エドゥアルド・パエス・リオ市長、ルイス・フェルナンド・ぺゾン・リオ州知事と言った大物が揃っている。
 ミシェル・テメル副大統領は、PMDBの連立離脱への動きをまとめるため、28日から予定されていたポルトガルへの訪問をやめ、党内の調停に努めていた。
 テメル副大統領はかねてから、ジウマ大統領が自身の意向を聞き入れないことを不満に感じていた。同党は3月初めの会合で「4月の党大会が終わるまでPMDB党員の閣僚就任を禁ずる」ことを決め、ジウマ大統領にも閣僚指名を避けるよう要請していたが、ジウマ大統領が同党のマウロ・ロペス氏を民間航空局長官に指名、17日に就任させたことで、党大会を29日に前倒しした。
 ジウマ大統領はテメル氏の動きを読み、24日に全国保健基金(Funas)会長でテメル派のアントニオ・ピーレス氏の更迭を行っている。このことからも関係修復の可能性は薄い。
 29日にはPMDBの党大会が行われ、各支部からの代議員119人が連立に残るか否かの投票を行う。同党には現在の閣僚7人や前述のパエス市長、同党下院リーダーのレオナルド・ピッチアーニ氏らのジウマ派も少なくはないが、劣勢は避けられない状況だ。
 PMDBが離脱した場合、ジウマ大統領やPTは下院での罷免審議で、あてにしていた下院の最大勢力である69票の大半を失う可能性が強い。PT内では、PMDBの離脱により、下院4位のPPや5位のPR、6位のPSDもこれに続いて離脱することも危惧している。
 そうなると、ジウマ大統領の罷免阻止に必要な下院の3分の1以上(171票以上)の票を集めるのが困難になる。
 なお、PMDBが連立を抜けても、副大統領は選挙で選ばれた役職として閣僚にとどまるため、ジウマ氏が罷免となった場合はテメル氏がそのまま昇格となる。