日立南米社(Hitachi South America Ltda.)はこのほど、大規模サトウキビ工場における収穫輸送の業務システムを開発した。これによりトラックの配車コストを10%削減できたとしている。
世界1位の生産量を誇る当地のサトウキビ産業だが、原油価格の下落などで厳しい経営環境化に置かれている。効率の向上が求められていることから、日立が物流コストの削減を目的にシステムを開発した。
独自のデータ解析技術によって収穫、積載、運搬までの経路を分析し、システム上の問題点を抽出。収穫機とトラックの待ち時間がコスト増の要因であることが判明し、効率よい配車システムを導くことで経費削減につなげた。
昨年末には、イピランガ・アグロインダストリアル社のサトウキビ工場で実証実験を行なった。開発した体系を活用したところ、トラックの配車経費が10%減少し、純利益は4・3%向上した。
研究開発担当の水上貴彰さんは「経費削減を実現できたことは大きい。このシステムはあらゆる物流にも応用できる」と語った。