リオ五輪開幕まで4カ月余りとなった今、ブラジル五輪委(COB)内ではブラジル人選手のドーピング違反に対する不安がささやかれていると30日付伯字紙が報じた。
ブラジルドーピング統制局(ABCD)がこれまでに行ってきた抜き打ちドーピング検査に、欠席した選手が相当数いるためだ。この検査は12カ月間に3回欠席すると、陽性(ドーピング違反)扱いとされる。
各種目世界トップ50に挙げられた選手達は、ADAMSと呼ばれるインターネット上のシステムで、居場所を3カ月毎に登録し、検査官との面会日時を調整する義務が課せられている。
マルクス・ヴィニシウス・フレイレCOBスポーツ部門事務局長は、「検査を受けていない選手がいることが心配だ。決められた日に検査官が出向いても、選手と会えないなんて。3回欠席したら陽性扱いになるのに」と語った。同氏によると、近年は検査の回数が増え、検査に欠席する選手の数や回数も増えているが、欠席した選手の名前や欠席回数は明らかにされていない。
世界アンチドーピング機関(WADA)はこの3月、ブラジルの反ドーピング規定は適正化されており、試料を検査する設備も問題ないと認めた。リオ市にあるブラジル反ドーピング統制試験所(LBCD)は、15年5月に国際基準を満たす検査所として認定されている。
フレイレCOBスポーツ部門事務局長はドーピングには厳正に対処する意向で、「私はドーピングに強く反対している。陽性判定が出たら、苛烈な批判に晒され、出場停止になるべきだ。この点では一歩たりとも譲らない」と語っている。
ブラジル陸上連盟(CBAt)は29日、3月24日に女子陸上のエース、アナ・クラウジア・レモスの尿のB検体(予備試料)を分析した結果、アナボリックステロイド(筋肉増強剤の一種)のオキサンドロロンが検出されたと発表した。クラウジア・レモスは2月3日に受けた検査でオキサンドロロンが検出され、3月14日に自主謹慎を申し出ていた。B検体からも禁止物質が検出されたため、同選手は全ての競技会への参加を禁じられた。同件は今後、スポーツ高等裁判所(STJD)が扱う。