サンパウロ市内の中流クラスや中流の上クラスの人が暮らす建物では、中国人とブラジル人の間で、文化や習慣の差による緊張が高まっている。
バラ・フンダのコンドミニアムで中国人に対する抗議行動や苦情を巻き起こしたエピソードは、中国人に対するブラジル人の不満の種が多岐にわたる事を示している。
最初のエピソードは、中国人住民の一人がプールの中で髪の毛や衣類を洗っていたというもの。もう一つは、別の中国人住民がフェスタを行った後、芝生の上に鶏の骨や紙皿、ペーパータオル、紙ナプキン、食べ残した料理などが捨てられていたというものだ。
コンドミニアムの住民組織代表者は、コミュニケーションが問題解決の鍵とし、ポルトガル語が話せる中国人を探して通訳を依頼し、住民集会で出てくる苦情の内容を中国人の住民にも伝えてもらう意向だ。
全7棟というイピランガのコンドミニアムでは、住民の40%を占める中国人の一人がベランダで動物の解剖をやり、大問題を引き起こした事がある。
このコンドミニアムでも中国人住民とのコミュニケーションは大きな壁とだった。対話が成り立たず、罰金を科しても、中国人は大抵即金で払うため、不払いにはならないが、それでは問題は解決しない。
このコンドミニアムで起きていた諸問題は、絵や図も交えて中国人側の代表と話し合い、コンドミニアム内のルールや、他の住民からの苦情の内容を中国人住民に伝えてもらう形で解決した。
親よりも早くポルトガル語を覚える子供に注目する事も大切だ。場合によっては罰則の適用が必要な時もあるが、その場合は中国人住民を犯罪者扱いしたりしないような配慮が必要だという。
中国人青年協会のチェン・カーワイさんによると、ブラジル人住民と中国人住民との間の問題は増えているが、中国人達もブラジル人の習慣に適応しなければならない事は分かっており、移民として来たばかりの人を対象に、現地の習慣ヘの適応についての会合を開いたりしているという。
チェンさん達は、互いの文化を尊重し合う事の大切さと中国とブラジルの違いを説明し、よりよい住環境を作るためにはブラジルまたはブラジル人の基準を知り、それに沿って暮らす事が必要だと教えているという。(3月27日付フォーリャ紙より)
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