2005年、当時のブラジル社会を揺るがした大型汚職事件、ルーラ大統領(当時)による労働者党(PT)政権による「メンサロン計画」を暴露し、自らも収賄で実刑判決を受けていたロベルト・ジェフェルソン氏(62)が、14日に、党首をつとめていたブラジル労働党(PTB)の党首に返り咲く。
ジェフェルソン氏はPTB党首時代の05年5月に、PTが議会で行っていた贈収賄計画を暴露し、一躍時の人となった。これは、PTが議会での連邦政府への協力取り付けのために連立政党に忠誠を求め、その見返りとしての賄賂を議員や党首に支払っていたものだ。PTBもこの計画に乗って賄賂を受けていたが、同氏が暴露したことで全ての秘密が明かされてしまい、その結果、PTの当時の官房長官や下院議長、党首が続々と有罪となり、実刑判決を受けることとなった。
13年に裁判が結審、14年から7年と14日間の刑を受けていたジェフェルソン氏は、模範囚ということ(同時に癌患者でもある)で、16年3月22日に最高裁から赦免を受け、政界復帰の準備を進めている。
PTBはジェフェルソン氏の一族の影響力が強い党で、現在も同氏の娘のクリスチアーネ・ブラジル下議が党首をつとめているが、娘から父への禅譲となった。
ジェフェルソン氏は、党首復帰目前にエスタード紙の取材に答えた。それによると、ジェフェルソン氏はジウマ大統領の罷免支持派で、罷免を進めているエドゥアルド・クーニャ下院議長のことがとりわけ気に入っているという。
ジェフェルソン氏はクーニャ氏のことを「あいつが一番好きな泥棒野郎だね。だって、ルーラをも上回る最低のモラルと低能さだよ。そんな男に出会えるとは、想像だにしなかったね」とし、ラヴァ・ジャット作戦での被告になりながら、議会での自身の議席剥奪審議を進ませず、ジウマ大統領罷免に進む同議長を皮肉った。
また、メンサロンとほぼ同時に進んでいた、ラヴァ・ジャットの中心となっているペトロブラスでの汚職について知っていたか、と問われたジェフェルソン氏は、「詳しくは知らなかった」としながらも、「いつも、大政党が後ろについているエリート企業だったからね。PTBは小さい政党だからペトロブラスのような大手にはありつけなかったけどね」「(ペトロブラスのような)公社がこの国の汚職の温床なんだ。政党はいつも財源をそこから引っ張ろうと争っている。この半年の争いはすごいと思うよ。半年経った頃には、ジウマ政権はもうないだろうからね」と答えた。
また、ルーラ前大統領のラヴァ・ジャットでの逮捕の可能性に関しては「逃げられないと思うよ。メンサロンのときは大統領府の前の官房長官レベルで止まったけど、ラヴァ・ジャットは大統領府の中まで蝕んでいるからね。(大企業側の重要被告の)マルセロ・オデブレヒトが真実を全て話しでもしてみな。30年は刑務所行きだな」と語った。
さらにメンサロンとラヴァ・ジャットの違いについては「メンサロンのときは強い政治論争を巻き起こしたけど、今回は野党側も企業献金のお世話になっているから、あんまり強く言えていない感じだね」と皮肉っていた。(1日付エスタード紙より)
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