15年11月5日に起きたミナス州マリアナ市のサマルコ社の鉱滓ダム決壊事故から5カ月が過ぎたが、同鉱山ではまだ鉱滓漏出が起きており、同州検察局が4日、5日以内に流出を止める措置を採る事と、5日以内に漏出が止まらなかった場合には1日につき100万レの罰金を科すよう、訴えたと5日付G1サイトなどが報じた。
サマルコ社のジェルマノ総合鉱山には鉱滓ダムが三つあり、構造上の欠陥とダム内の水量観測などの安全管理面での不備が事故の原因と見られている。
決壊したフンドンダムからの鉱滓漏出は現在も続き、検察はドッセ川に流れ込んだ鉱滓の量は今年に入ってからだけで500万立方メートルと見て、同社の措置の遅れを指摘。国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)のマルコス・ベリザリオ氏は、ダム決壊翌日の15年11月6日から2月18日までに漏出した鉱滓は最低でも800万立方メートルと見積もっている。
ベリザリオ氏は、強い雨が降った時にS3と呼ばれる堰から流れ出す水は規定の量を超えている事なども取り上げ、「鉱滓漏出防止策は一時的でお粗末だ。雨の時期が再来すれば更に大きな問題が起こる可能性が強い」としている。最大の懸念は今年10月からの夏の雨で、それ以前に、決壊したフンドンに変わる新しいダム設置とその中の堰の建設、フンドンダムの下にあるサンタレンダムの適正化などを行う必要があるとしている。
同鉱山の鉱滓流入のせいか、ドッセ川やその河口で取れた魚介類からは安全基準を超える量の重金属などが検出されており、現在も禁漁中だ。サマルコ社はミナス、エスピリトサント両州の漁師4184人に生活補助を出しているが、登録漏れの漁師も相当数いる。
なお、被災者への寄付金給付第一弾は3月31日に行われ、各世帯が1123レ、計80万レを受け取った。次回は4月末日に1千レの給付が予定されているという。