「日本で消費免税を受けるのは、居住何年以上から?」。――ある日、そんな疑問が編集部に寄せられた。日本の消費税は8%、早ければ来年4月には10%になる。これを払うか払わないかで、大きく値段が異なる。調べてみると「2年以上、国外に滞在する目的で出国した者」が対象という。つまり出国から例え1カ月しか経過していなくても、2年以上のブラジル居住を予定する人であれば、規定上、免税対象となるという。経済産業省と国土交通省観光庁が作成した資料を下に、観光庁観光戦略課からメールで回答を得た。
両省による資料「外国人旅行者向け 消費税免税店制度について」に、様々な規定が紹介されている。免税対象は近年増加中の外国人観光客以外に、在外邦人や帰化人にも適用される。
《日本人であっても、2年以上外国に滞在する目的で出国し、一時的に日本に入国し、滞在期間が6カ月未満で出国する者等》(p18)は資格があるようだ。仮に滞伯数日であっても、条件を満たせば免税対象となる。
具体例を挙げて担当者に尋ねてみた。「例えば15年4月~17年3月など、3年間のブラジル駐在を予定する者が、休暇または業務を理由に15年12月に1カ月帰国した際、免税対象者となるのか?」という問いに、「対象となります」と返答があった。
とはいえ駐在期間はあくまで予定。証明書類としては、「(有効なパスポートに記載された)在留資格で就労期間が確認できます」とのこと。「できない場合は原則店舗では判断できないため、店舗を所管する税務署に確認の必要があります」という忠告もあった。
では移住者の場合はどうか。当地のイデンチダーデ(RNE)は日本で効力を持たず、認可を受けられない。「身分証明、永住証明や米国のグリーンカードでは不可」というので公証翻訳をしても認可されないよう。帰化人はブラジルのパスポートを見せれば問題ない。
訪日する一世らは現在のパスポートに加え、永住証明を押印された過去のパスポートも携帯した方が良さそうだ。とはいえ店舗によって対応が違う可能性も。ブラジルの身分証明でも免税を受けたという声も寄せられている。
また購入時は店側からレシートと別に、「輸出免税物品購購入記録表」を受け取る必要がある。購入者の氏名や生年月日、上陸日などを店舗で記入してもらう。国外持ち出しの際、この伝票が必須となる。
その他、注意点として「同一店舗での合計額が一般物品で1万円以上、消耗品で5千円以上」「日本を出国するまで開封しない」「私用目的であること」などがある。なお免税店であるかどうかは、シンボルマークでも判断できる。
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消費税免税に関する資料は、ネット上(www.mlit.go.jp/common/001069989.pdf)で公開されている。あまり広く知られていない免税対象者への規定だが、免税店舗数は2020年までに、日本各地1万店へと拡大させたいというから使わない手はない。とはいえ14年10月の時点で9361店舗もある。多い順に東京3268、大阪1259、北海道594、福岡507、神奈川468、千葉383、愛知296と続く。移住者の多い沖縄は138。デカセギの多い静岡は161だが、群馬は22のみ。ヤマダ電機など大型家電店などでも免税店になっているところは多い。次に訪日した時は、8%引きで買いますか。