連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は7日、3月18日に最高裁からも就任差し止めを受けたルーラ前大統領の官房長官就任に関し、無効にすることを薦めた。ルーラ氏の官房長官就任の件は、下院本会議でのジウマ大統領に対する罷免投票が終わった後の20日に最高裁で審理されると見られている。8日付伯字紙が報じている。
ジャノー長官は7日に送付した意見書の中で、前大統領の官房長官就任は「現政府がラヴァ・ジャット作戦(LJ)の捜査妨害のためにとった行為の一つ」で「公職特権を得ることで(パラナ州連邦地裁の)セルジオ・モロ判事による捜査や逮捕を逃れようとした行為であった可能性が強い」とした。
7日午前中、ルーラ氏はブラジリアの連邦検察庁で2時間あまりの供述を行った。本人の要請でその内容は公開されていないが、ジャノー長官の意見書はこの供述の後に提出された。
ジャノー長官はテオリ・ザヴァスキー最高裁判事からの要請で、3月28日にルーラ氏の官房長官就任について、公職特権を認めず、モロ判事の管轄の下で捜査を行うなら就任を認める、という意見書を提出、3月31日の最高裁の判事投票では、「ルーラ氏の件は(少なくとも当面は)最高裁で扱う」ことが決まった。
ジャノー長官が自らの見解を変えた理由は、LJで行われたルーラ氏への電話の盗聴で記録された諸々の発言の内容や、指名から就任までの動きの不自然さ、「ルーラ氏とジウマ氏がLJの捜査を妨害しようとしていた」とのデウシジオ・アマラル上議の報奨付証言の存在などだ。
また、ジャノー長官の進言は、これらの項目の全てに絡んでいる、ジウマ大統領への捜査の可能性を示唆するものでもある。ジウマ大統領に対する捜査の可能性は、最高裁が3月31日にルーラ氏への盗聴記録を最高裁にとどめた時点から言われ始めている。
ルーラ氏の就任差し止めを命じたジルマル・メンデス判事は、ジャノー長官の意見書を受け取った直後に、ルーラ氏の官房長官就任の件を最高裁での全体審理にかける判断を下した。同件の審理はメンデス判事が帰国後の今週中に行われる予定だったが、下院がジウマ氏の罷免に関する審議を行っている間は見合わせる方向となった。ジウマ氏の罷免を問う下院本会議での審議は15日に始まり、17日に投票となる見込みで、最高裁の審理は20日の予定だ。
ジウマ氏を取り囲む状況はかなり厳しく、11日に行われる下院特別委員会での投票は「罷免審議継続」となるのが確実視されている。また、エスタード紙がここ数日発表し続けている下議の投票意向は8日12時現在277票対114票で、「罷免賛成」が2・5倍以上の差(実際の投票では2倍以上になれば罷免)をつけて優勢となっている。
タグ:ルーラ 写真ニュース ジウマ大統領 ラヴァ・ジャット セルジオ・モロ ジルマ