11日、ジウマ大統領罷免のための下院の特別委員会で「下院本会議で審議を継続する」という報告官の意見書を承認するか否かの投票を行った結果、38対27で本会議での審議継続が決まった。本会議は15日から行われ、17日に投票が行われる。12日付伯字紙が報じている。
14年の大統領違選挙の際には九つの党との連立で、議会内の過半数はゆうに超えていた連立政権だったが、この日の投票で「審議継続反対」に全ての票を投じたのは、ジウマ氏自身の労働者党(PT)と、ブラジル共産党(PCdoB)、民主労働党(PDT)、共和党(PR)の4党のみだった。
この日の投票では、3月29日に連立を離脱した民主運動党(PMDB)が7人の委員中4人が「審議継続」に賛成票を投じた。
また、大統領罷免を食い止めるために、ルーラ前大統領自らが調停役に入って交渉しているはずの進歩党(PP)も賛成3票に反対2票、社会民主党(PSD)も賛成2票に反対1票と、この期に及んでも党員が罷免に傾いていくのを止めることが出来なかった。連立復帰への心変わりを求められていたブラジル共和党(PRB)は、委員2人が揃って審議継続に賛成票を投じた。
さらに、この日、連立与党ではないが、ブラジル社会党(PSB)や、18年大統領選の有力候補のひとりと見られるマリーナ・シウヴァ氏の持続ネットワーク(Rede)といった、PTと同じ左翼系の政党もこの日に「党としては罷免賛成」の見解を出した(ただし、Redeの委員は反対票を投じた)。
この後は、15日に下院本会議での大統領罷免審議がはじまり、17日に、ジウマ大統領を罷免するか否かの投票が行われる。
11日の委員会の投票では58%が罷免に好意的な結果となったが、17日予定の下院の投票では全体の3分の2(66・67%)、つまり342票を獲得しなければ罷免にはならない。
委員会での票数だけを見ると、現状では連邦政府にも挽回の余地があるようにも見えるが、事態は容易ではない。PRの場合、この日の投票では委員全員が「罷免反対」に投じたが、これを不服として同党下院リーダーのマウリシオ・キンテラ・レッサ氏が同職から降りると宣言するなど、PRの中でさえ罷免賛成派は少なくない。
また、エスタード紙やヴェージャ誌が独自に集計している下議へのアンケートでも、共に、既に300人近い下議が罷免賛成の意思を表明したのに対し、反対派は120強だ。意思の確認の取れていない下議はPMDBとPRの議員が多いが、PMDBの半数とPRのほぼ全員が反対するくらいでないと罷免阻止は難しい状況だ。
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