ジウマ大統領の罷免をめぐる問題は、今やブラジル国内にとどまらず、世界的な話題となっており、11日の下院特別委員会での「本会議で罷免審議継続」との投票結果も、世界中のメディアにとっては大きなニュースだった。
下院本会議での投票で3分の2以上が罷免に賛成すれば、罷免問題は上院に送られるが、1992年に起きたフェルナンド・コーロル氏の大統領罷免の際は、この下院での罷免判断が大きく響き、上院での審理が終わらないうちにコーロル氏が辞表を出したといういきさつもあるため、下院での罷免決議は非常に重要な意味を持つ。
各国のメディアは、そんな重要な局面にあるジウマ大統領を様々な形で表している。
フランスのル・モンド紙は、ブラジル政府は、まだ投票の決断を下してない下院議員をルーラ前大統領がいかにして説得するかに頼るのみだ、と分析している。
イタリアのコリエーレ・デッラ・セラ紙は、「ジウマ氏は財政責任法の罪を問われているが、それは罷免理由のわずかに過ぎず、罷免が求められている真の理由は、出口のない景気後退やペトロブラスのスキャンダル、支持率の著しい低下の責任追及だ」としている。
スペインのエル・パイス紙は、特別委員会での委員の得票数に当初の予想以上の差が開いて本会議での審議継続が承認されたのは政府には痛く、おそらく本会議で罷免回避の172票を獲得するのは無理だろう、と書いている。
イギリスのガーディアン紙は、既に何度も逆転があり、ドラマティックだった世界的な政界ヒットドラマ「ハウス・オブ・カード」よりも激しい戦いになるとしている。同紙はまた、ブラジルで展開されている政治劇では、罷免を審議する側にも、エドゥアルド・クーニャ下院議長をはじめとする、ラヴァ・ジャット作戦での疑惑の政治家が多数含まれていると指摘している。12日付グローボラジオなどより)
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