【既報関連】ジウマ大統領罷免で揺れる政界だが、汚職追及のラヴァ・ジャット(LJ)作戦はその間も手を緩める事はなかった。12日朝、LJ作戦第28弾(作戦名「ピュロスの勝利」)が敢行され、ジム・アルジェロ元上議(ブラジル労働党・PTB)が逮捕されたと13日付伯字各紙が報じた。
同元上議には14年、ペトロブラスを巡る汚職疑惑解明のための上院議会調査委員会(CPI)と上下両院合同調査委員会(CPMI)へ、建設大手OAS(O)社とUTC(U)社の召喚を避ける見返りに、両社から賄賂を受け取った嫌疑がかけられている。
O社の賄賂は元上議がブラジリアで熱心に通っていた、サンペドロ教会への寄付の形を取り35万レ、U社の賄賂は14年の選挙で元上議に協力した五つの政党への政治献金の形で500万レとされ、少なくとも計535万レが支払われたと捜査関係者は見ている。
今回の逮捕劇の出発点は、デウシジオ・アマラウ上議(労働者党・PT)やU社オーナーのリカルド・ペッソア被告が報奨付供述の中で、両CPIの副委員長だったアルジェロ元上議が影響力を行使し、両社のCPIへの召喚を避けさせたと証言したことだった。
ジム・アルジェロ元上議は、O社に対し、賄賂の支払先として、10年来熱心に通っていた、タグアチンガ区のサンペドロ教会の口座を教えたらしく、O社元社長のレオ・ピニェイロ被告の携帯電話に、同教会に金を振り込むよう指示した記録が残っていた。O社は14年5月19日に35万レを送金している。
同教会のモアシール・アナスタシオ神父は、ブラジリアでは〃集票マシーン〃の異名をとるほど影響力を持っている。元上議は10年の統一選に連邦直轄区から出馬。補欠当選後、同区選出の議員の辞職で繰上げ当選となり、14年は再選を目指して再出馬したが落選した。
同教会は12日、O社以外の建設会社からも教会主催の祭りへの〃寄付金〃の名目で、入金があったことを認めた。14年の場合、アルジェロ元上議以外にも、アギネロ・ケイロス元連邦直轄区知事の仲介でアンドラーデ・グティエレス社が30万レを支払ったとされる。元知事はヴィア・エンジェニャリア社にも金を頼んだが、神父が不要と断ったという。
パラナ州連邦地裁のセルジオ・モーロ判事は、アルジェロ元上議とその息子、元上議の部下1人の資産、合わせて535万レアルを凍結する命令を下した。
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