サンパウロ市保健局が8日、3月26日までに確認されたデング熱患者は6096人で、昨年同期の3万2128人より81%減少と発表したと8日付各紙サイトなどが報じた。
アレッシャンドレ・パジーリャ保健局長は、今年の患者数は年10万人を超えた15年を下回ると見ており、市東部に設けた野営診療所2カ所の撤廃を決めた。同診療所の医師は、A型インフルの患者急増に対応するため、保健所などに残る。
同局長は、ボウフラ退治のための薬剤を厳選した事、車の集積所のように溜まり水があった場所を重点的にチェックした事、蚊による感染症を嫌う市民がボウフラ撲滅に協力した事などを患者減少の理由とした。14、15年のデング熱患者多発地区ではデング熱に対する免疫がある市民が増えた事も幸いした。
ただ、チクングニア熱やジカ熱はこの限りではない。ジカ熱の場合、市東部のアグア・ラザ区で市内で2例目となる域内感染者が確認された他、ジカ熱と診断された例も224件届けられている。15年の患者は年間76人だった。4月6日現在のチクングニア熱患者は1237人で、域内感染者は2週間前の倍にあたる11人になった。15年の患者は年間728人だった。
なお、リオ市のオズワルド・クルース財団は12日、同市でのジカ熱感染は、14年8月開催のカヌーの世界大会「ヴァア・ワールド・スプリント・チャンピオンシップ」に参加したフランス領ポリネシアを含む太平洋の島の選手から広がった可能性を指摘した。15年1~6月にジカ熱の可能性もある症状を訴えた患者262人分の血液を分析した結果、119人がジカ熱に感染しており、内11%はバイア州で国内初の感染者確認と言われた15年4月より前に罹患していた。