地理統計院(IBGE)が20日、15年12月~16年2月に行った全国家庭サンプル調査(PNAD)の結果、失業率は10・2%に達した事が判明したと発表したと20日付各紙サイトが報じた。
2月までの失業率は15年9~11月の失業率を1・2%ポイント上回り、12年の統計開始以来、初の2桁台になった。また、昨年同期比では、2・8%ポイント高くなっており、失業者が増え続けている事を明示している。
失業者の総数は1040万人で、こちらも統計史上、最高だ。1、2月は歳末商戦のための臨時採用者が解雇される時期でもあるため、失業者の増加は予想されていたが、失業者数は15年11月までの数字より13・8%、昨年同期比では40%も増えている。
一方、就労者の数は9110万人で、前期比で1・5%(約100万人)、昨年同期比でだと3・8%(140万人)減った。
失業した人は正規雇用者と非正規雇用者の双方で出ている。正規雇用者の場合は特に、失業により、生活の保障と共に、社会保障費の積立など、多くの恩恵や特権を失う事になる。また、行政側も、税収や社会保障費などの徴収額が落ちる事を意味しており、失業による影響は大きい。
職を失った場合は所得もなくなるのが当然だが、失職を免れた人の所得も減っているのは別の面の懸念事項だ。15年12月~16年2月の場合の平均所得は1934レアルで、昨年同期比で3・9%減っている。
15年9~11月と比較した場合、平均所得が増えたのは家庭内労働者の1・8%のみ。
昨年同期と比べて所得減少が目立ったのは、輸送や郵便、保管業の6・3%や、車やバイクの修理業5・7%、農牧業、植物栽培、水産業の7・4%などだ。
企業の倒産などで失業率が高くなると、雇用主の数も減り、失業者が次の仕事の口を見つけるのも難しくなる。15年12月~16年2月の場合は、雇用主の数が昨年同期比で5・8%減った。
これらの実態を別の形で反映した数字は、フードトラックで食事を提供したりする自営業者の増加で、15年9~12月との比較では3%、14年12月~15年2月との比較では7%も増えている。