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エドゥアルド・クーニャ下院議長 (Antonio Augusto/Camara dos Deputados)

クーニャ派が早くも暗躍=下院議長追求弱体化図る=CEは介入拒否の姿勢だが=テーメル氏も口は挟めず

 ヴァウジール・マラニョン下院第一副議長(進歩党・PP)は19日、倫理委員会(CE)に対し、クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)への調査を制限する内容の宣言を出したと20日付伯字各紙が報じた。

 クーニャ派を公言するマラニョン下院副議長は、クーニャ議長が、昨年3月に開かれた〃ペトロロン〃疑惑解明のための議会調査委員会(CPI)で「国外に預金口座など持っていない」と虚偽の証言を行った件に関する証拠書類以外の証拠をCEで扱う事を禁じる宣言を行った。
 マラニョン副議長はそれ以外の証拠をクーニャ追及に使う場合は別の委員会が開かれるべきだと語った。これは、CEがラヴァ・ジャット作戦で出てきた証拠を使ってクーニャ議長を追及し、議席剥奪を図るのを防ぐための方策で、これまで行ってきた調査の内容が無効化される可能性すらある。
 4月初頭、CEの報告官はエスタード紙のインタビューの中で、クーニャ氏が闇ブローカーのアルベルト・ユセフから現金で500万ドルの賄賂を受け取った件もCEで扱う意向である事を明らかにした。この500万ドルはペトロブラス(PB)社の事業契約に関わる不正な金だ。
 CE所属の委員は、副議長の決定を、クーニャ派による時間稼ぎだと見ている。事実、クーニャへのCEでの疑惑追及はもう既に5カ月以上が経過している。
 報告官のマルコス・ロジェリオ下議(民主労働党・PDT)は「副議長の決定には、いかなる合法性も首尾一貫性も見出せない」と語った。
 CE委員長のジョゼ・カルロス・アラウージョ下議(共和党・PR)は「(マラニョン副議長の決断を)まだ聞いていない。これから検討する」と語り、19日の午後には、「CEはこれまでに召喚した(通達済みの)証人全員から話を聞く意向で、クーニャ議長に関する調査の内容は特に制限しない」との文書を発表した。
 クーニャ派は大統領就任に向けて〃カウントダウン〃状態のテーメル副大統領と取引し、ジウマ大統領罷免投票に賛成した見返りとして、下院議長の汚職疑惑追及の手を弱めさせようとしている。また、クーニャ派は〃テーメル罷免〃というカードも握っている。
 テーメル氏はCEで起こることに口を挟むことはできない。CEについて記者団に聞かれても、オウム返しに「議会の事には関知しない」と答えなくてはならない。今のところ両者の関係は良好に見えるが、その思惑には微妙な相違が見られている。