ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 五輪を巡る悲喜こもごも=聖火採火式と自転車道崩壊=市長ギリシャからとんぼ返り
第1走者から聖火を受け取るジオヴァニ(左、Roberto Castro/ME)
第1走者から聖火を受け取るジオヴァニ(左、Roberto Castro/ME)

五輪を巡る悲喜こもごも=聖火採火式と自転車道崩壊=市長ギリシャからとんぼ返り

 リオ五輪まで100日余りとなった21日、ギリシャで聖火採火式が行われ、リレーが始まった一方、五輪に合わせて行われた市街化工事の一つであるチム・マイア自転車道が高波を受けて崩れ、死者も出るという、悲喜こもごもの1日となったと22日付伯字紙やサイトが報じた。
 ギリシャでの採火式はブラジリア時間朝6時に始まり、ブラジルからは、エドゥアルド・パエス・リオ市長や、リオ五輪組織委員で、五輪男子バレーで2度の優勝経験を持つジオヴァニ・ガヴィオらが参加した。
 オリンポス山での採火式は伝統通りの形で行われ、女性司祭に扮した同国女優のカテリナ・レホウが太陽光を使って火を起こし、第1走者のエレフテリオス・ペトルニアス(同国の体操選手で昨年の世界選手権のつり輪で優勝)の持つトーチに点火。聖火は第2走者のジオヴァニらの手を経、27日まで同国内を巡った後、アテネのパナシナイコ競技場でリオ五輪組織員会に引き渡される。
 聖火のブラジル到着は5月3日で、ブラジリアを皮切りに陸路と空路で運ばれた火は、8月4日にリオ市に到着。同5日にはマラカナンでの開会式で聖火台に点火される。

崩壊したチム・マイア自転車道(Fernando Frazão/Agência Brasil)

崩壊したチム・マイア自転車道(Fernando Frazão/Agência Brasil)

 一方、パエス市長にトンボ返りを余儀なくさせたのは、21日午前11時頃起きたチム・マイア自転車道の崩壊事故だ。
 同自転車道はニーマイヤー大通りに沿い、海に張り出す形で設置されている。同市長は1月の開通式で「世界で最も美しい自転車道」と誇らしげに語ったが、その一部が高波を受けて崩壊、ロナウド・セヴェリノ・ダ・シウヴァ氏(60)とエドゥアルド・マリニョ・デ・アウブケルケ氏(54)、が犠牲となった。犠牲者はもう一人いると見られ、22日も消防が捜索を続けている。
 事故の原因は調査中だが、自転車道は通常、路面の両端に支柱があるのに、崩壊箇所は中央部分の支柱のみで、下からの波を受けた路面は海側が持ち上がった後、通行者らをのせたまま陸側に落ちた。計画時か施工段階での不備が疑われ、民間の調査機関による現場検証も行われる予定だ。