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ジョゼ・セーラ上議(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)
ジョゼ・セーラ上議(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

テーメル暫定内閣=財相候補は2人に絞られる=押しの効く名前メイレレス=企画相など歴任のセーラ=PSDBの協力姿勢は不明

エンリケ・メイレレス元中銀総裁(Jose Paulo Lacerda/CNI)

エンリケ・メイレレス元中銀総裁(Jose Paulo Lacerda/CNI)

 【既報関連】テーメル副大統領は、大統領就任時の財相候補をエンリケ・メイレレス氏と、ジョゼ・セーラ上議(民主社会党・PSDB)の2人に絞ったと26日付エスタード(E)紙が報じた。メイレレス氏はルーラ(PT)政権で8年間、中銀総裁を務めた経験があり、セーラ氏はフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ(FHC)政権時代に企画相の経験がある。

 現在、より可能性が高いとされているメイレレス氏は、市場からの信頼感を取り戻しうる実績を備えている。一方、党の方針(閣外協力)で入閣が困難なセーラ氏は「私は常にテーメル副大統領と話しているが、それは財相就任云々のことではないし、そのつもりもない」と25日に語った。
 テーメル氏は、セーラ氏を閣内に迎え入れるため、PSDBに対し、方針を変更して閣内協力に踏み込むことを望んでいる。もしセーラ氏の入閣がならなかった場合は、同氏をインフラ整備または教育、保健関係の個人的なアドヴァイザーに就ける見込みだ。
 テーメル氏は土曜日にメイレレス氏と、日曜日にはセーラ氏と副大統領官邸で面会した。セーラ氏はテーメル氏に、暫定政権の最初の課題の一つは5月末までに今年度財政目標値の変更を議会に承認させることで、早ければ早いほど良いと語っている。
 メイレレス氏とセーラ氏は、経済政策において異なった意見を持っている。セーラ氏は昨年、メイレレス氏を「歴史上最悪のBC総裁」と酷評した。しかし、メイレレス氏は今も、国内の経済アナリスト達の崇拝の的となっており、一部のアナリストはメイレレス氏を「国外投資家達の信用を取り戻す切り札だ」と手放しで賞賛している。
 PSDB内部はセーラの入閣について意見が大きく割れている。同党顧問のフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ元大統領(FHC)は、自分が大統領選に勝てたのは、コーロル元大統領の罷免後に発足したイタマル暫定政権に入閣し、実績を挙げた事が一因だったと語り、「PSDBは閣外協力に留まるべし」とのアエシオ党首の方針を批判した。
 アエシオ党首と方針を同じくするのは、18年の統一選で大統領選に出馬が目されているジェラウド・アウキミン現サンパウロ州知事だが、アルベルト・ゴールドマン元サンパウロ州知事のように「今は、18年の統一選を云々する時ではない。PSDBはこの国家の危機に際し、日和見的な態度はとるべきでない。臨時政権にも積極的に閣内協力していくべきだ」との意見もある。
 PSDBは閣内か、閣外かの方針を5月3日の幹部会議で決定する見込みだ。