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選手、観戦者の安全確保へ=サンパウロ市で五輪受け入れ組織始動

 在サンパウロ総領事館が中心となって先月22日午後、リオ五輪サンパウロ連絡協議会が発足した。期間中の来伯邦人受け入れなどについて、各日系団体の代表15人と中前隆博総領事らが話し合った。
 3月上旬にはリオで、サンパウロの母体となる官民合同組織が第1回会合を行なった。それを受けた今回の会合に関し25日午前、中前総領事が取材に応じた。
 観戦に訪れる邦人の安全確保、治安やジカ熱などの情報共有、要人対応を目的とし、特設サイトで渡航上の注意や安全情報を発信する。緊急時の連絡先を明記したページを設け、来訪者が印刷して携帯できるような配慮も行なう。
 2014年W杯では試合会場3都市の空港にブースを設置し、注意喚起のチラシを配布した。今回は大会期間の長さや、観戦者の移動がリオ以外は読めないことから、管轄内の空港にブースなどは設置しない。
 また、サンパウロ市でも代表選手が直前合宿を行なう可能性が高いことから、「日本選手団が最大限の力を発揮できるような応援体制、環境づくりにも貢献できれば」と意欲を見せている。
 委員には日系5団体に東京都友会、サンタクルス病院ほか、青年文協や留学・研修OB会のASEBEXなど若手団体も連なる。「幅広いネットワークを持つ日系の若者にも協力を仰いだ。最新の安全情報や関連イベントなど、広報には彼らの協力も不可欠だ」と狙いを語った。
 日本政府は大会期間中、リオ市内の複合文化施設シダージ・ダス・アルテス内に、五輪ジャパンハウスを設置する。日本文化の紹介や、20年東京五輪の周知を促す考え。サンパウロ市では文協が中心になって、サッカー男子の第3戦、日本―スウェーデン(8月10日、サルバドール)で観戦会を企画中だ。
 なお在伯公館は、6500~8千人の邦人が訪れると予測している。


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 リオ州で開催されていたフェンシング世界選手権大会が27日に閉幕した。五輪テストマッチのための2種目団体戦で、日本から男女8人の選手団が参加したが、女子フルーレ団体が12位、男子サーブル団体が16位という結果に終わった。この2種目は元々五輪では行われない。でも五輪種目の方のフェンシングでも、残念ながら日本代表は団体戦での五輪出場枠を逃した。個人戦ではメダル獲得が期待される太田雄貴選手含めて6人が代表に内定。リオ五輪まではや100日をきった。万全の態勢で試合に望めるよう、選手たちにエールを送りたい。ちなみに五輪本大会の個人戦は、8月6日から11日まで。