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聖市ヴァーレ・ド・アニャンガバウーでのメーデーイベントの様子(Paulo Pinto/Agencia PT)
聖市ヴァーレ・ド・アニャンガバウーでのメーデーイベントの様子(Paulo Pinto/Agencia PT)

ジウマ大統領=世界労働者の日に大反撃=BF増額を含む政策発表=罷免派をメッタ切りに=失権前に国荒らすなと罷免派

 ジウマ大統領(労働者党・PT)は、上院本会議での採決次第で、11日にも自身の弾劾裁判開始と180日の停職が決まりかねない情勢だ。その10日前に当たる5月1日、サンパウロ市で開かれた労組中央機関(CUT)主催のメーデーを祝うイベントに参加した同大統領は、ボルサ・ファミリア(BF)の増額と、所得税減税を含む〃思いやり政策パッケージ〃(PB)を打ち出したと2日付伯字各紙が報じた。

 ジウマ大統領が公表したのはBF平均9%の増額で、これは国家財政を脅かすものではないと主張したが、経済政策チームは反対している。
 ジウマ大統領はまた、個人所得税課税のための税率を決める収入区分の見直しも明言した。実務畑からは、同政策の施行が17年からだったとしても、免税額の基準変更は今年の税収にも響いてくるとの声が出ている。
 BFの増額は、今週中にも正式な大統領令が出る見込みで、支給額は6月から、世帯あたり176レアルになる。
 これはジウマ大統領が停職になった際に臨時大統領を担うテーメル副大統領(民主運動党・PMDB)の政策の方向性と逆行するものだ。
 ジウマ大統領は「彼ら(テーメル一派)は、3600万人の国民に対するBFを根絶やしにするつもりだ」と強調した。
 ジウマ大統領は更に、連立を離脱して、17日の下院での罷免審議継続に賛成した会派と賛成側に引き込んだ野党を批判し、「彼らは選挙で敗れたので、我々の陣営に引き抜きをかけて、国民の投票の手が及ばないところでクーデターを起こした」と語った。
 ジウマ大統領はまた、クーニャ下院議長(PMDB)にも矛先を向け、「クーニャ氏は自らの汚職疑惑を審議する下院倫理委員会において、3人のPT(ジウマ派)議員が議席剥奪に賛成の意向と知ると、私への罷免請求の審議を進め始めた」とぶち上げた。
 同日、テーメル陣営は早速反発した。大統領府民間航空庁の元長官で、テーメル暫定政権で官房長官就任が噂されているモレイラ・フランコ氏(PMDB)やテーメル氏の側近は「国民は馬鹿ではない」と一蹴した。
 モレイラ氏は「ジウマ大統領は嘘にまみれた自己弁護の宣伝文句を使って国民を扇動する事を止める気はないのか。我々のBF政策は貧困層を見捨てるものではない」と語り、ルシオ・ヴィエリア・リマ下議は「ジウマ大統領の所業は〃失権の前に国を荒らす〃ようなもの」と批判した。
 CUTのイベント出席が予定されていたルーラ前大統領は、ジウマにかすれ声で電話をかけ、疲労が溜まっており、今後の反罷免活動のために静養したいと伝えた。
 CUTはサンパウロ市でのイベント参加者を10万人と喧伝しているが、サンパウロ市保安局は参加者数の統計をとっていない。