〃筆の都〃として知られる広島県安芸郡熊野町で、昨年5月に開催された『第19回筆の里ありがとうのちょっと大きな絵手紙大賞』に入選した、サンパウロ絵手紙友の会(石井惠子会長)の生徒らが29日、報告のため来社した。同会からは一般の部で7人、子供の部で9人が受賞した。
今回は最優秀賞「ありがとう大賞」に、西藤啓子さん(73、東京)がノミネートされた。絵手紙から飛び出して、今にもサンバを踊り出しそうな躍動感ある絵とともに、人々を陽気な気持ちにさせてくれるカーニバルへの思いが込められた温かな作品だ。
惜しくも受賞とはならなかったが、応募者数7714人中84人の候補に残った。同会初となる快挙に西藤さんは、「思いがけないことで本当に驚いている。思いを込めた作品が選ばれて嬉しい」と、喜びをかみしめた。
中山淑子さん(78、東京)は温かなバイアーナを描き、初応募で奨励賞を受けた。憧れて来たブラジルで艱難辛苦を乗り越えて喜寿を向かえた今、「ブラジルの大地そしてブラジル人に感謝の気持ちを込めた」という。
子供の部で優秀賞を受賞した秀嶋愛美さん(9)は、温かな家族の愛を表現した。恥じらいながらも満面の笑みで「受賞できて嬉しい」と母親とともに喜んだ。
石井会長も、「日本とブラジルでは作品のレベルに差があるのが現状。そのなかでノミネートされるというのは本当に素晴らしいことです」と初の大賞ノミネートを喜んでいる。