大サンパウロ市都市圏イタペセリカ・ダ・セーラ市で4日、非番の軍警がホームレス労働者運動(MTST)の女性活動家に発砲する事件が起きたと5日付エスタード紙が報じた。女性はデモ行進の最中だった。
発砲したのは、デモ隊が封鎖していたアルマンド・サッレス道を走行していた軍警のロブソン・ヴィエイラ・ド・ナシメント容疑者(32)で、殺人未遂の現行犯で逮捕された。
腹部に銃弾を受けたエジルマ・アパレシーダ・ヴィエイラ・ドス・サントスさん(36)は、病院で手術を受け、容態は安定している。
デモに参加していたリカルド・ジュスチーノ・ドス・サントスさんによると、「車が急に現れ、デモの隊列を突破しようとした。人の盾を作って対抗し、運転手に落ち着いてくれと言ったのに、運転手は『どけ、どけ』の一点張り。挙句のはてに『ぶっ殺してやる』と叫んで人垣に向かって車を急発進させると、車から発砲までした。それがエジウマに当たったんだ」という。
デモ隊の人々が発砲後の様子を撮影しており、車種やナンバープレートが特定されたため、映像を得た軍警が地域を捜索し、犯人を逮捕した。
デモ隊は発砲事件後、被弾したエジウマさんに付き添ってイタペセリカ・ダ・セーラ市立救急病院まで行く人、警察署に詰め掛ける人、市役所前までデモを続ける人に分かれた。
警察まで同行したMTSTのリーダー、ギリェルミ・ボウロス氏は、「憂うべき事件」で「言論の自由を行使した市民が、それゆえに酷い暴力に晒された」と語った。
同件を担当したマルセロ・サントス・シウヴァ警部によると、「ナシメント容疑者はデモ隊ともみ合いとなって挑発されたと供述しており、発砲は偶発的なものだった可能性がある」という。