大統領罷免審議継続の可否を問う上院本会議での投票を11日に控え、ジウマ大統領が自政権の軌跡を残す旅を始めたと5日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
大統領は5日、パラー州ヴィトリア・ド・シングーでベロ・モンテ水力発電所の商用操業開始を祝う式典に参加。パラー州サンタレンでも、労働者党(PT)政権の看板政策である「ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ(MCMV)」で建設した家屋3千軒余りの引渡し式を執り行った。
6日には、第2期ルーラ政権で工事が再開されたサンフランシスコ川の疎水工事の現場訪問、7日にはトカンチンス州パウマスでブラジル農牧調査研究公社のイベントに参加する。9日は改修工事中だったゴイアス州の空港の落成式に出席する。大統領は180日間の停職となる前に完成済みの事業の落成式などを行い、自政権の業績を明らかにする意向だという。
5日付エスタード紙によると、現、前大統領やPT党首、同閣僚らは4日夜、大統領罷免回避は困難と考え、停職となった暁には、PT政権の年数と政党番号にちなんだ13日に大統領と閣僚が揃って大統領府のスロープを降り、民衆に挨拶する事等を決めたという。
大統領は4日、サルバドール、ポルト・アレグレ、フォルタレーザ、フロリアノポリスの4空港民営化(運営権委譲)への入札規定を公表し、45日間の公聴期間を設けると発表、6日には発表した所得税の課税額見直し案を議会に送り、MCMVで新しい契約締結など、行動し続ける姿を強調している。4空港の入札では41億レが国庫に入る見込みだ。
経済活性化計画(PAC)MCMV、交通・運輸関連事業の民営化はPT政権の目玉政策だが、工期遅れで経費増幅、建設業者のカルテル汚職蔓延などの問題も多い。
5日付G1サイトによると、4月にリオ市で引渡したMCMVのアパート1千軒では、水道管が割れ、天上や壁、床に水漏れやしみが発生、タイルが剥がれる、壁や床にひび、電気の配線ミスなどの苦情続出。別の州でも違法売買やまた貸し、施工ミスなどで警察沙汰が起き、議会調査委員会設置を求める声もある。
既に民営化されたグアルーリョスなど6空港では、ラヴァ・ジャットで摘発されたゼネコンの経営難や利用者減で国への支払いが滞り、期日延長を求めるなどの問題も起きている。
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