2014年8月に来伯した安倍晋三首相の揮毫「日伯繁栄」が、ブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)に届けられ、記念碑として同ビル庭園に設置された。作製には宮坂国人財団が資金協力。評議員会前日の4月29日深夜に運び込まれ、設置作業が進められた。翌30日午前には第150回評議員会が開催され、12万レの赤字会計などが報告された。
安倍首相の石碑に刻まれる文字は「日伯繁栄」と、筆による縦書きの「JUNTOS」(一緒に)だ。両国の友好や相互発展などを強調し、中南米政策スピーチにも盛り込まれた重要な言葉だ。
この石碑の除幕式は文協(Rua Sao Joaquim, 381)で、21日午前11時半から。同日は文化祭りの初日も迎え、広く一般からも来場を呼びかけている。同じ庭園内には、04年に来伯した小泉純一郎元首相による揮毫「日日新 新天地」の石碑も並んでいる。
30日の評議員会後、本紙が呉屋会長に聞いたところ、移民110周年の祝典準備を進める実行委員会を6月までに立上げる予定だと明かした。構成員や企画は未確定だが、「皇室や政府要人の来伯はコロニア共通の願い」とし、設立後に具体化させていく。
呉屋会長は10月に海外日系人大会、世界のウチナーンチュ大会で訪日するため、「その時に正式な招待状を手渡せるよう準備することが望ましい」とし、それまでに110周年事業の概要を決める見通しだ。
同評議員会では、昨年度の事業と約12万レの赤字が報告された。昨年度は収入371万2247レ、支出383万556レだった。大塚商会の大塚実名誉会長による寄付1億円(13年)による、大講堂などの改修事業の特別会計も閉められた。
大幅赤字の原因は、主な収入源である大講堂の賃貸収入が減ったため。1億円による大講堂改修のために年初の数カ月間、貸し出すことができなかったという。
地下の元援協診療所を多目的スペースに作り変える「文化空間プロジェクト」も継続中。すでに着工したが、資金不足で止まっている。総予算200万レの半分以上は集まったが、1年前からほとんど増加していないという。ルアネー法の規定で、締め切りから半年後の17年6月までに完工しなければならない。そのため、ルアネー法による支援受け付け期限を、今年末まで延長した。