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13年のPT政権に終止符=テーメル暫定政権の船出=「効率的な政治体制」目指す=8省庁削減し意気込み見せ

 【既報関連】上院本会議で12日朝6時33分、20時間以上におよんだ審議の末に55対22の賛成多数でジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免審議継続と、同大統領の180日間の停職が決定、これを受けて大統領代行に昇格したテーメル副大統領(民主運動党・PMDB)は、同日午後、就任演説と閣僚就任式を行ったと13日付伯字各紙が報じた。

 今回のジウマ大統領停職で、2002年から4期、13年5カ月に及んだ労働者党政権は一応の終焉をみた。
 ルーラ前大統領期からジウマ大統領第一期前半までは、コモディティ価格高騰などの追い風を受けた繁栄を謳歌し、社会保障の充実で主に低所得層からの支持を得たものの、14年以降は石油公社ペトロブラス(PB)絡みの汚職摘発でPT内部の腐敗も表出。景気後退による失業拡大に苦しみ、不正会計疑惑をかけられた上、今年の3月には史上最大の反政府デモ「16・03・13」も発生するなどして、今回の停職に至った。
 ジウマ大統領の罷免審議は今後、リカルド・レヴァンドフスキ最高裁長官の指揮の下で継続される。弾劾裁判の開始が決まった場合は、上院本会議の投票で全上議81人中、3分の2にあたる54人の賛成票が集れば、ジウマ大統領は完全に罷免される。テーメル大統領代行はこの時点で正式に大統領職に就き、任期は18年末までとなる。
 テーメル大統領代行は1889年共和制樹立以来41代目の大統領職就任者で、75歳での就任は最長齢だ。同大統領代行は、同日午後5時半過ぎに23人の閣僚就任式と就任演説を行った。
 テーメル大統領代行はボウサ・ファミリア(生活扶助)などの社会政策の継続し、「効率的な政治体制」の下で、労働法や社会保障の見直し、歳出削減、国庫バランス健全化、景気回復に向けた環境作りを目指す事を約束した。
 また、政界汚職を追及するラヴァ・ジャット作戦(LJ)を賞賛して、「絶対に頓挫させない」事を公約し、ブラジル国旗にある「秩序と進歩」の言葉を自身の政権のモットーに定めた。
 13日午後1時現在未定だった鉱山動力相にはフェルナンド・コエーリョ・フィーリョ下議(社会党・PSB)、国家統合相にはエルデル・バルバーリョ氏が選ばれた。
 省庁削減は、テーメル副大統領の大統領代行就任が濃厚になっていた頃から、行政のスリム化、国家支出の削減の面から不可避の課題とされていた。実際に閣僚ポストの数は、統廃合によりジウマ政権の31から23に減った。ロメロ・ジュカ企画相は13日、種々の役職にある公務員を3千人程度削減する意向である事も表明している。