リオ州のジョゼ・マリアノ・ベウトラメ保安局長は19日、同州内での暴力事件数増大のため、リオ五輪中に陸軍に市内警備を要請すると発表したと20日付フォーリャ紙が報じた。
この要請はフランシスコ・ドルネッレス州知事代行により、ミシェル・テーメル大統領代行に送られる。
19日に同州保安局傘下の公共保安研究所(ISP)が発表した報告書によると、同州では故意の殺人、路上強盗、車両盗難などの発生件数が増加している。
リオ州で1月から4月までに発生した故意の殺人件数は昨年同時期より15・8%多い1715件で、4月だけを見た場合は、昨年4月より4割近く多くなっている。
ラウル・ジュングマン国防相は、初動段階では軍がファヴェーラに入る事はないとし、ベウトラメ保安局長も「軍への出動要請は、リオ五輪期間中、警察官を市内の治安維持に専念させるため」と語った。
軍と保安局の見積もりでは、リオ市内6カ所のファヴェーラで警備の増強が必要だと見られている。六つのファヴェーラは全て、選手村から競技場までの道のりに存在している。
現時点では、軍警の治安維持治警察部隊(UPP)の増設や、警察や軍が2010年にアレモン地区、14年にマレー地区を占拠したのと同様の計画は存在していない。
軍の兵士は主にリオ市北部、デオドーロ競技場近くのパヴーナ地区に派遣される見込みだ。
競技場には全伯から招集された警察官や消防士からなる警備隊〃フォルサ・ナシオナウ〃が配備される。
暴力事件増大傾向が、リオ五輪に悪影響をもたらす心配はないかと問われたジュングマン国防相は、「危惧していないという事ではないが、五輪に悪影響を及ぼしうる全ての事象は我々のコントロール下にある」との見解を明らかにした。