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ベ国の緊張さらに高まる=実質的な軍政の一歩手前?

 食料その他の必需品が不足し、停電や断水も頻発、年180%超のインフレに悩むベネズエラで、ニコラス・マドゥーロ大統領の罷免に向けた動きが激化、18日にはデモ隊と治安部隊の衝突が生じ、緊張が一段と高まったと19~22日付伯字紙が報じた。
 マドゥーロ氏の罷免を求める動きは、野党側が選挙管理委員会に送付した国民投票を求める署名の確認作業の遅れなどで再燃。罷免を嫌う大統領が国民投票を妨害しようとしているとして、5月第2週以降、大きな抗議行動が発生している。18日はデモ隊の一部が治安部隊の包囲網を突破したため、軍や警官隊が催涙ガスなども使用、数十人の逮捕者も出た。
 マドゥーロ氏は翌日、ヘンリー・ラモス・アルップ国会議長の警備主任のコロモト・ロドリゲス氏を暴動主導者として逮捕、投獄すると共に、13日と15日に出した非常事態宣言と経済緊急事態宣言のレベル引き上げの可能性を示唆した。
 マドゥーロ氏は「我が国ではクーデターが計画されており『国の安全と平和を守るために必要なら』国民の自由を制約する事も辞さない」との見解を表明。20日には同大統領の命令を受けた国軍が、国内外の勢力によるクーデター防止のための特別体制に入った。
 ローマ法王は一連の動きに懸念の色を隠さず、南米諸国連合の要請を受けたスペインのサパテーロ元首相やパナマのトリホス元大統領もマドゥーロ氏と対談したが、緊張は高まる一方だ。
 アルゼンチンとチリ、ウルグアイの3国は20日、ベ国政府に野党側との対話を求め、基本的な人権と個人の自由を尊重するよう求める文書を送付した。一部外交筋は、同国がこれを無視した場合は、南米諸国連合が同国の参加権停止などの懲罰を適用する可能性もあると見ている。