5月20~22日、サンパウロ市のイビラプエラ体育館で、ブラジル国内ではリオ五輪前最後となる体操の国際大会、国際チャレンジカップが開催され、ブラジル人選手団は金6個を含む、13個のメダルを獲得した。この数字だけでなく、各ブラジル人選手が見せた好調なパフォーマンスは、本番に期待を抱かせるに充分なものだったと、23日付現地メディアは報じている。
ブラジル体操連盟(CBG)男子代表チームコーディネーターのレオナルド・フィンコ氏は、「我々が興味を持っているのは、各種目の選手の得点と、選手によっては、演技構成の順番を変えたことの手ごたえだ」と語った。
フィンコ氏によると、五輪行きが唯一確定しているのは、前回ロンドン五輪の王者で、22日のつり輪でも1万5800点を出して優勝、金メダルを獲得したアルトゥール・ザネッチだ。ザネッチは最近の大会では常に同程度の点数を出しており、〃継続性〃という強みを見せ付けた。
ザネッチのもう一つの強みは〃氷のような〃冷静さで、リオ五輪直前の今は、ロンドン五輪直前期よりさらに凄みを増している。「もともと落ち着いている。しかし今では練習する度、大会に出る度にますます自分が冷静になっていくのを感じている」と語る。
しかし、ザネッチのコーチ、マルコス・ゴトウ氏の置かれている状況はこれと対極だ。愛弟子であるザネッチへのメダルの期待が高まれば高まるほど、ゴトウ氏にのしかかる重圧も大きくなる。「4年前とは責任の重さが全然違うよ。ロンドン大会の時は何のプレッシャーもなかった、だいたいザネッチのことなんて誰も知らなかったし」と語る。
なお、同大会では日系ブラジル人のアルトゥール・ノリ・マリアーノ(跳馬)とセルジオ・ササキ(鉄棒)もそれぞれ金メダルを獲得し、五輪本番の代表入り、メダル獲得への期待を膨らませた。(23日付エスタード紙などより)