21、22日に行われたサッカーブラジル全国選手権第2節で、監督が判定に不服を唱えた場合は厳然たる措置を取る、という今年の審判団の方針が垣間見えた。
10試合で退席処分を受けた監督の数(3)が、退場処分を受けた選手の数(2)を上回ったのだ。
退席処分を受けた監督は、パルメイラスのクーカ、アトレチコ・パラナエンセ(Atl―PR)のパウロ・アウトゥオーリ、コリチーバのジウソン・クレイナの3人で、判定に不服で審判に食ってかかった事が原因だ。
ブラジルサッカー連盟(CBF)は、審判への異議に厳しく対処すべしとの通達は出していないとしている。CBF審判委員会会長のセルジオ・コレア氏は「我々が審判たちに繰り返し伝えているのは、ルールや審判、対戦相手には最大限の敬意を払わなくてはいけないという事だけだ。(審判に不服を唱える監督には厳しい態度をとるようになってからは)反則が減り、試合が動いている時間が増えたということで現状を好意的に受け止めている」と語った。
21日のポンチ・プレッタ戦で1対2で敗れたパルメイラスのクーカは、審判のレアンドロ・ペドロ・ヴアデンに拳骨で殴る真似をしたことで退席となった。
「うちの選手が反則をしたと判定されて、『違う』と言っただけで退席だ。俺は確かに過ちを犯したかもしれない。でも、審判が何でもレッドカードで解決したらどうなる? 審判が重大なミスをした場合、特にゴールに関わる判定でミスをしたら、彼らこそ、退席、資格停止になるべきじゃないのか。カードを振りかざすな」と、クーかは試合後の会見の席でぶちまけた。
その他の2件は監督による審判への侮辱行為が退席の理由だった。フラヴィオ・ロドリゲス・デ・ソウザ審判は、1対1の引き分けに終わったAtl―PR対アトレチコ・ミネイロとの試合で、Atl―PRのパウロ・アウトゥオーリ監督に「俺に不利な判定ばかり、お前らみんなクソだ!」と叫ばれ、同監督を退席処分にした。
コリチーバのジウソン・クレイナ監督は、サントスとの対戦で最後の1分に決勝点を決められ、審判のリカルド・マルケス・リベイロ氏に「(ロスタイムをながくとって)馬鹿野郎! サントスの勝ちを一緒に祝うんだろ!」と叫び、退席となった。
元審判で、現在は南米サッカー連盟審判委員長のウィルソン・ルイス・シニーミ氏は、監督を退場にする場合の基準は審判によって違いがあるとし、「通常はまず警告を行い、再び執拗な異議や行きすぎた抗議があった場合は、監督に限らず、ベンチの人間を退席処分にする事がある」と語った。(24日付エスタード紙より)