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東洋街から全世界同時発信?!=サムスン電子、五輪用CM撮影=謎に包まれた撮影現場を覗く

この日だけ『将棋世界』に

この日だけ『将棋世界』に

 謎につつまれた撮影現場――。普段はあまりさえない(失礼!)、もとい、大衆的な日系レストラン「乾杯」が17日、テレビCM撮影の舞台として使用され、なんとその日だけ『将棋世界』と店名を改めた。サンパウロ市リベルダーデ区グロリア街、ちょうど弊紙の斜め向かいだ。
 現場にいたブラジル人スタッフ数人に聞いたところ、なんでも「サムスン電子がリオ五輪に向けて、全世界同時配信するためのもの」という。入り口左脇に「七段大野公雄」、右に「トキオ将棋」という看板も。

昭和初期風の将棋所が再現された様子

昭和初期風の将棋所が再現された様子

 「ほほぅ」と知らん顔して覗き込んでみると、驚くことに昭和初期風の〃懐かしき将棋所〃が再現されていた。右側の壁にある名札版には「大地五郎」という比較的日本人風の物から、「さんご」「イザナギ」などの和風だが人名っぽくないもの、「哲雄 格」「四郎 大鳥」など姓名逆のものも。おくには一升瓶がズラリと並ぶ冷蔵庫・・・。相当な大酒飲みが集まる将棋所らしい。
 たまたまその場にいた東洋街の将棋連盟の関係者に聞くと、将棋盤や椅子などの小道具は、同連盟やビラマリアーナ区にある日本棋院南米本部から貸し出された備品だという。
 現場横の駐車場には、昼からアジア系エキストラが40人ほど集まり、CMソングがガンガン流される中、歌詞を覚えるのに必死のよう。豪雨に見舞われる中、撮影は昼前から深夜までかかった。
 店内で将棋を楽しむ一方で、米、英、独、マレーシア、チュニジアなどの各国国歌の一部を全員が合唱している様子を店の窓の外から、サムスン電子のスマートフォンが撮影しているという内容らしい。
 なぜ韓国企業のサムスン電子が、リオでなく敢えてサンパウロの日系レストランを舞台として使い、どうして将棋を選択したのか――。すべてがベールに包まれている。どんなCMに仕上がるのか、リオ五輪の楽しみが一つ増えた。