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4月の経常収支が黒字に=7年ぶりの結果に驚きも

 中銀が24日、4月の経常収支は4億1200万ドルの黒字を計上したと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルや25日付エスタード紙が報じた。
 経常収支は貿易収支とサービス収支などを合わせたもので、4月としては、1億1200万ドルの黒字だった09年以来、7年ぶりの黒字を記録した事になる。3月の経常収支は8億5500万ドルの赤字だった。
 7年ぶりの黒字は、貿易収支が好転している事を知る市場関係者さえ、予想より早いと驚かせた。市場での予想は、どんなに良くても2億ドル程度の赤字となるという線で固まっており、中銀も10億ドルの赤字と予想していたという。
 ただ、4月の経常収支が黒字となった事は、手放しでは喜べない。貿易収支好転は、中国への肉の輸出などが増えた一方で、消費者の購買力低下などで輸入が減った事が原因の上、外国旅行者や多国籍企業による本国への利益送金の減少は、景気後退に伴って生じたものだからだ。
 4月の貿易収支は例年も比較的良いが、今年4月は47億ドルの黒字となり、経常収支黒字化に貢献した。また、多国籍企業による本国送金は5億7400万ドルで、24億ドルだった15年4月を大きく下回った。本国への利益送金などの所得収支や、負債や利子、給与の支払いなどの経常移転収支は計19億3300万ドルの赤字、外国旅行や輸送、通信などのサービス収支も赤字を計上している。
 中銀によると、1~4月の経常収支は71億6600万ドルの赤字で、昨年同期の319億4100万ドルより大幅に改善した。中銀は年末の赤字額を250億ドルと予想している。
 なお、外国人投資家が生産部門に投じた外国直接投資額は68億ドルに達し、回復の兆しがうかがわれるが、この傾向が継続するか否かはもう少し観察する必要がある。