ホーム | 日系社会ニュース | 熊本震災、義援金が続々と=年金生活者の〃貧者の一灯〃も=「できるだけ早く母県に送金」
送金方法を話し合う役員ら(18日の幹部会で撮影)
送金方法を話し合う役員ら(18日の幹部会で撮影)

熊本震災、義援金が続々と=年金生活者の〃貧者の一灯〃も=「できるだけ早く母県に送金」

 ブラジル熊本県文化交流協会(田呂丸哲次会長)には、年金生活者からの〃貧者の一灯〃を先頭に、今も続々と義援金が寄せられている。さらにブラジル日本語センターでも義援金の募集が行われ、すでに6千レアル近くが集まったという。いくらぐらい集まり、日本にはいつ頃、どのように送金するのか。現在までの状況を同県人会に聞いてみた。

 同県人会は4月14日からの熊本県を中心とした地震被害を受け同月22日、義援金用口座を開設した。現在も相次いで多数の義援金が寄せられている。
 18日に同会館で行なわれた幹部会では、田呂丸会長、明石照久副会長、赤木数成書記、日下野良武および松本ワルテルの両理事長、小山田祥雄前会長らが出席。送金方法などについて話し合った。
 これまでの個人の振込みは約300人、また30以上の団体が支援金を寄せている。7日の時点で15万レアルを超えていたが、その後も続々と寄付が届いているという。現在の合計金額は未公表だが、田呂丸会長は「予想よりはるかに多く集まっている」と答えた。現時点なら20万レアルを超えていてもおかしくない。
 日本への送金が行われた後、正式な金額を発表する予定。直接送金すると、25%前後も課税される場合がある。そのため、定款を銀行側に提出し、特別な「義援金扱い」で送る手続きを進めている。これにより18米ドルの手数料と0・38%の低課税のみで送金できるという。
 母県への送金日時は確定していないが、役員らは「可能な限り早く」と確約する。赤木書記はブラジルの経済状況に言及し、「不景気にも関わらず、年金生活者でも送金してくれる人がいる」と言い、「これほど日系社会が心強いとは」と目を潤ませながら答えた。
 また三、四世の義援金が目立つことについて田呂丸会長は、「彼らは大変な努力をした先祖に感謝している。そのことが『自分のルーツである日本を助けたい』という気持ちにつながっている」と話す。
 他県出身者からの寄付が多いことに関し、日下野理事長は「熊本にはこれまで大災害は無かった。募金運動も初めてだが、これほど他県からの支援が集まるとは」と話し、「他県が困った時は絶対に手助けする」と握りこぶしに力を入れた。


日本語センターで奉加帳=義援金額すでに約6千レ

義援金の奉加帳を持つ諸川副理事長

義援金の奉加帳を持つ諸川副理事長

 4月14日に始まった一連の熊本地震を受け、ブラジル日本語センター(立花アルマンド理事長)は5月初めに理事会を開き、義援金の募集を決定。開始から2週間たった現在も問い合わせが多く、5月末で終了する予定だったが、6月20日まで募集を続けることとなった。
 熊本県と同センターは関係が深く、2年おきに訪日して開催する「ふれあい日本の旅」では、同県庁の世話によって日語校などの生徒らがホームステイしている。
 同センターは今月9日から募集を始め、会員にフェイスブックや電子メールで呼びかけ、2週間で5883レアルが集まった。この義援金はすでに熊本県人会に渡してあるという。
 募集を打ち切る日が近づいても、義援金の問い合わせが多いことから、期間を延長することとなった。一般からの募金も受け付けている。
 来社した諸川有朋副理事長は「支援者名を熊本県庁に伝えるので、なるべくセンターまで来て、奉加帳に記名していただきたい」と呼びかけた。来訪が難しい場合は、同センターの事務局に相談してほしいとしている。
 問合せは丹羽事務局長(11・5579・6513)まで。


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 熊本地震の被災地支援として、多くの寄付金が寄せられている熊本県人会だが、義援金を振込む人に呼びかけていることがある。寄付した人名を同県庁に通知するので、入金したら必ず「名前、金額、住所、CEP」をメールで送ってほしいとのこと。宛先は同県人会(a.kumamoto@uol.com.br)まで。