3日から始まるサッカーのコパ・アメリカ100周年記念大会を前にアメリカはデンバーで親善試合が行われ、フォワード不足に悩むセレソンが「代役フォワード」たちの活躍でパナマ代表に2―0で快勝、同大会を前に大きな収穫を得た。
今回のコパ・アメリカはセレソンにとっては非常に苦しい大会だ。エースのネイマールは所属先のバルセロナから出場許可が下りず、ここのところ前線でコンビを組むダグラス・コスタ(バイエルン)、そしてもうひとりのフォワードのリカルド・オリヴェイラ(サントス)がいずれも負傷欠場。この状況で一体誰が得点源となるのか、注目されていた。
そこでドゥンガ監督は、前線を2トップではなく1トップにし、リカルド・オリヴェイラの代役で召集された、今季ポルトガル・リーグ得点王の32歳のベテラン、ジョナス(ベンフィカ)を据え、2列目には、フィリペ・コウチーニョ(リバプール)、ウィリアン(チェルシー)、レナト・アウグスト(北京国安)を並べる布陣を取った。
この効果は試合直後に表れた。前半開始2分、相手ゴールラインまで攻め上がったフィリペ・コウチーニョがペナルティ・エリア中央にクロスを上げると、ジョナスがそれを無事に決め、1点を先取した。
ジョナスにとって、2011年の召集時以来、約5年ぶりの得点となったことも大きかったが、これまでプレミア・リーグで活躍が伝えられながらも、セレソンでそれがなかなか活かされなかったゲームメーカー、コウチーニョにとっても収穫のある1点だった。
ゲームはその後、押し気味のセレソンがチャンスを逃し続けたために膠着した。
しかし、均衡を破ったのは、これまた新顔だった。後半28分、ジョナスに代わって1トップについたガブリエル(サントス)が、ペナルティ・エリアで後方からパスを受けると、そこから落ち着いてシュートを決めたのだ。
ブラジル国内では2年前から「ガビゴル」の愛称で人気を呼び、期待も高まる19歳のストライカーは、この日がセレソン初出場だったが、その試合で見事にゴールを決めた。ネイマールの古巣サントスでの現在の若きエースは、ネイマール不在の大会で自身をアピールし、8月のリオ五輪、そしてその後の(既に噂もあがっている)ヨーロッパ移籍に弾みをつけたいところだ。
コパ・アメリカでのセレソンのグループ・リーグ初戦は6月4日、現在、W杯南米予選で好調のエクアドルとなる。
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