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ベネズエラ=「民主主義侵害」と米州機構=強制制裁も視野に入れる

 米州機構(OAS)のルイス・アルマグロ事務局長は5月31日、ベネズエラが同機構の民主主義憲章に違反しているとして緊急会議の招集を要請した。1日付伯字紙が報じている。
 同局長は、ベ国のニコラス・マドゥーロ大統領に対し、「権力に固執するのではなく、国のために長期的な視野に立った国政を」と求めている。
 ベ国では昨年12月の選挙で野党が議会の過半数を占めるようになったが、議会が承認した法案はチャベス氏の頃から政府の影響下にある最高裁が全て却下しており、同局長は「民主主義の原則である三権分立が機能していない」と批判した。
 同局長は、ベ国で懸案となっている大統領罷免の国民投票実施を今年中に実現させることなどを提唱。国民投票の嘆願署名は既に規定の9倍に達しているが、署名の真偽確認が終わっていない。また、野党側の政治家の釈放も提唱している。
 ベ国での民主主義侵害に対する制裁処置の可能性もある民主主義憲章への違反問題は、6月に開催される同機構の常任理事会と本会議で諮られるが、ベ国はカリブ諸国13カ国からもボリバル主義の連帯を得ており、参加34カ国の3分の2以上の賛同獲得は難しいと見られている。
 ブラジルのテメル暫定政権はこの件に関し、アルゼンチンのOAS委員のフアン・ホセ・アルクリ氏らが提案する、マドゥーロ政権と野党側の交渉などの進展を伺って様子を見る構えだという。