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聖市リベルダーデ広場にある、ブラデスコ銀行の店舗
聖市リベルダーデ広場にある、ブラデスコ銀行の店舗

ゼロテス作戦=B銀行頭取告発される=30億レの罰金逃れ画策=関与も利益享受も否定のB社=B社株5%減60億レ損失

 【既報関連】税申告に関する罰金や滞納金に関する税務管理審議会(Carf)での審理が有利になるよう、企業が判事たちに対して贈収賄を行っていた疑惑を解明する「ゼロテス作戦」において、連邦警察は、大手銀行ブラデスコ(B)社のルイス・カルロス・トラブーコ頭取にも贈賄の容疑ありとしたと1日付伯字各紙が報じた。

 同頭取の他にも、2人のブラデスコ銀行幹部を含む9人に嫌疑がかけられている。この10人は全て、昨年3月に連邦警察と連邦検察庁、国税局が開始したゼロテス作戦で調べを受けていた。
 連邦警察がこの10人に容疑ありとしたのには具体的な証拠があり、罪状には贈収賄、犯罪組織形成、マネーロンダリングの言葉が並ぶ。
 連邦検察庁がエスタード紙に明かしたところによると、トラブーコ氏の罪状は贈賄で、ロビイストと契約し、同審議会から科されるであろう数十億レの罰金を免れるための工作を依頼したという。
 連邦警察は、汚職計画を担っていたとされる国税局監査員のエドゥアルド・セルケイラ・レイチ氏の電話を傍受し、同氏が14年10月9日にサンパウロ州オザスコ市のブラデスコ銀行本社で、同行幹部らと会っていた事を突き止めた。
 B行側は、会合が行われた事は否定しなかったが、トラブーコ頭取は会合に参加したのではなく、出席者に挨拶をしただけだとしている。
 B行は、ロビイストを通して同審議会に口利きを頼んだことはなく、トラブーコ頭取は、連邦警察の言う、他の9人とも関わりがないと、書面で発表した。
 名前の上がった幹部2人(投資家対応部長のルイス・カルロス・アンジェロッチ氏と、副頭取のドミンゴス・フィゲイレド・デ・アブレウ氏)は共に、B行とロビイストとの間では、同審議会関連の問題で便宜を図るような契約は一切行われていないとしている。
 また、今回の捜査でB行にかけられた利益供与の容疑については、同行に関する同審議会の判決は6対0で敗訴しており、同行は何の利益も受けていないと強調した。
 5月31日、現職頭取も告発されたことで、B行の優先株は5%、時価総額にして60億レの下落を記録した。株式相場全体も慎重な値動きだったが、その知らせに下げ傾向が固まり、サンパウロ株式市場指数(Ibovespa)は1・01%ダウンの4万8471・71ポイントでその日の取引を終えた。