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教室で女性教師の髪に火=警察が高校生と親達を連行

 サンパウロ州内陸部イガラスー・ド・チエテ市の州立ジョゼ・コンチ校で5月30日夜、高校1年のクラスで生徒達が女性教師の髪に火をつけ、警官が生徒や親を警察に連行する騒ぎが起きた。
 被害者は同校で20年間教えてきたベテラン教師で、課題を添削するため、授業の終わり際に課題を教卓に提出するよう求めたところ、気づかぬ間に生徒2人が背後に回り、ライターで髪の毛に火をつけた。
 教室内が一瞬静まり返り、何かがこげる臭いがすると思った途端、生徒達が「先生、髪の毛が燃えてる!」と叫んだという。慌てた教師は火を消そうとして髪の毛を叩いたが、「火が体に回ったら」と考えると半狂乱になったという。
 幸いな事に髪が湿って濡れていたため、大事には至らなかったが、この事件でショックを受けた女性教師は翌日も出勤できなかった。同教師は、「いつになったら教壇に戻れるかわからない」という。
 通報を受けた軍警と教育委員らは同日中に生徒と親を警察に連行し、警告を与えた上で免責同意書に署名させた。
 教育委員会は5月31日に生徒達を集め、学校では校長や教職員、クラスの仲間達、家庭では両親にもっと敬意を払うべきだと説いた。
 同校は今年4月、生徒達が塀を乗り越えて出入りする様子を映したビデオを添えた告発も受けており、4月28日には教室で放火騒ぎも起きた。この時は授業が40分間中止され、生徒4人が警察に連行された上、親達も警察に出頭、教育委員会からの教示を受けた。
 生徒達によると、同校では麻薬を使ったり売ったりする光景も見られ、教室を破壊したり、好きな時に学校に出入りする生徒もいるという。同校周辺は草が生い茂り、ごみが捨てられているなどの問題の他、良い教師や勉強したい生徒がいても脅され、車を壊されるなどの暴力行為で意気を喪失。転校したりするケースも起きているという。(5月31日付G1サイトより)