先月29日、パウリスタ大通りでLGBT(性的少数者を示す略語)パレードが開催され、400万人以上で埋め尽くされた。見物のために訪れたオーリャ子だが、身動きがとれない時間帯もあったほどだ。
当地は同性愛者に寛容な国なのだろうと思っていたが、話を聞くと「寛容ではない」という回答が意外にも圧倒的であった。特に肉体労働の世界などマシズモが支配する空間では、他人をからかうために「ゲイ」という言葉が頻繁に使用されるし、ポ語には「ゲイ」を示す言葉が20以上もあるという。
一方、同性愛者に対して嫌悪感があるかという問いには殆どが「ない」と回答し、よき友人として普通に付合いをしているという。一部に過激な同性愛者嫌いがいても、それを凌駕するほど懐の深い人も大勢いる。この「懐は深いが内実は複雑」という国民性がブラジルのようだ。(航)