【既報関連】2日にサンパウロ市南部ヴィラ・アンドラーデで起きた、軍警による10歳の自動車強盗犯射殺事件で、当初の軍警発表と食い違う点が生じてきている。4~6日付伯字紙が報じている。
イタロ君(10)が車を盗み、逃走中に事故を起こして停車したが、軍警に発砲したため、返り討ちにあったとのニュースは先週末、死亡現場の写真や映像と共に全国的に話題となった。
だが、後部座席に乗っていた11歳の少年は3日、軍警が公表したビデオの内容を否定する発言を市警殺人課で行った。少年は当初、イタロ君が停車後、車を取り囲んだ軍警に3発発射したと発言。警察も同君が繰り返し発砲したために射殺したとし、銃1丁が押収されたと発表した。
だが、少年はその後、イタロ君と軍警との間での攻防はなかったと前言を撤回した。イタロ君の周囲の人たちは事件当初から、イタロ君が銃で抵抗したとの軍警の発表に疑問を抱いていた。
少年は補導された際、軍警に顔を殴られ、地面にねじ伏せられた。「親が見つからなかったらおまえも死んでいたぞ」とも言われたという。
サンパウロ州では15年に、勤務中の軍警による死者が750人(1日2人)でており、今年の1~3月も187人が殺された。
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