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3日のジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)
3日のジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)

「ジウマが賄賂を請求した」=オデブレヒト被告が暴露=14年の大統領選に際し=上院罷免審議の材料にも?

 停職中のジウマ大統領が14年大統領選の際に賄賂を要求していたと、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)のマルセロ・オデブレヒト被告が先週行った報奨付証言で語ったことがメディアで報じられ、この件が上院での罷免審議に取り入れられるかが注目される。5日付伯字紙が報じている。

 オデブレヒト被告の証言は、4日に発売された「イスト・エ」誌が報じたものだ。同被告が社長をつとめていたオデブレヒト社はLJ最大の汚職企業であり、同社長もペトロブラス関連の事業受注でカルテルを取りまとめたり、経済活性化計画(PAC)の重要事業で贈収賄を行ったりしたことなどで、実刑の合計は100年以上とも予想されている。
 同被告はルーラ元大統領の頃から労働者党(PT)政権との関係が密で、ジウマ大統領の選挙戦への不正献金もかねてから疑われていたため、その供述の内容は注目されていた。
 「イスト・エ」誌によると、オデブレヒト被告は14年10月(大統領選の1次投票と決戦投票の間)に、ジウマ陣営の会計担当だったエジーニョ・シウヴァ氏から、1200万レアルの贈賄を求められた。賄賂の半分はジウマ氏の選挙参謀で現在LJの被告でもあるジョアン・サンターナ氏、残り半分はテメル副大統領(当時)の民主運動党(PMDB)に払うよう頼まれたという。
 既に1400万レアルを政治献金として払っていたため、オデブレヒト被告が難色を示すと、エジーニョ氏は「ならば大統領と直接かけあってくれ」と言ったという。
 その後、同被告はジウマ大統領と直接かけあったが、その際にジウマ氏自身からも「払っていただきたい」と言われたという。
 この証言を受け、暫定政権の上院政府リーダーのアロイージオ・ヌーネス上議(民主社会党・PSDB)は、まもなくはじまる上院でのジウマ大統領罷免審議にむけた情報のひとつに加えるべきだと発言している。同氏は「この証言は、まだ判断を決めかねている上議の判断材料になりうる」とした。
 一方、ランドルフ・ロドリゲス上議(持続ネットトワーク・Rede)は「今回の供述の内容が本当なら、シャッパを組んだテメル大統領代行にも責任がある」として選挙高等裁判所で審議されるべきだと語った。Rede党首で14年大統領選候補だったマリーナ・シゥヴァ氏も、ジウマ氏の14年選挙での不正を以前から主張している。
 5日付フォーリャ紙によれば、オデブレヒト社の贈賄担当部で見つかった金の配分明細表にあるコードネーム中、600万レを受け取ったイタリアノが第1期ルーラ政権の財相でジウマ政権でも官房長官をつとめたアントニオ・パロッシ氏(PT)で、5千万レを受け取ったポス・イタリアノがルーラ~ジウマ第1期政権財相のギド・マンテガ氏であることは、同社元幹部らの報奨付供述で明らかになる見込みだ。