リオデジャネイロ市の非政府団体(NGO)「平和のリオ」が6日、コパカバーナ海岸で、女性への性的暴力を非難するキャンペーンを行った。
このキャンペーンでは、女性用下着メーカーDuloren社提供の420着のパンティーがビーチに並べられ、また女性の口の部分に赤いインクの手形がついた大型の肖像写真が20枚置かれた。
420という数字は、ブラジルで72時間ごとに強姦された女性の数を表している。年間の強姦発生件数は5万件だ。
「平和のリオ」創始者のアントニオ・カルロス・コスタ氏は、5万件も、実際に被害届が出された数に過ぎないとしている。同氏は「表沙汰になっていない事件が未だ多く埋もれていて、女性の人権を守る運動は一層強く行われなくてはいけない。実際の強姦件数はその十倍とされている。これは社会の病理だ。加害者はしっかりと裁きを受けねばならない。さらには、女性がこの種の被害に遭いやすい貧困地域での教育啓発、被害女性への精神面でのケアなどの援助充実といった政策の実施も必要だ」と語った。
「私は黙らない」と題した海岸での写真展の作品を撮影したカメラマン、マルシオ・フレイタス氏は、撮影の過程はとても辛い経験だったと語った。モデルの女性の何人かは実際に強姦の被害者だった。
フレイタス氏は、「我々は、新しい世代がこの種のテーマに対してもっと開かれた議論ができるようにしていかなくてはいけない。私は今30歳で、1980年代、90年代に少年時代をすごした。その頃はこの種の情報を受け取る事も学ぶ事もかなわなかった」と語る。
写真のモデルになった一人、学生のバルバラ・ネーヴィスさんは、この活動は、現在ブラジルで大きな社会問題となっている、リオでの集団強姦疑惑事件だけが発端となったものではなく、全ての女性への全てのタイプの暴力に対抗する目的で行われたとした。
世界保健機関(WHO)によると、世界では18歳未満の女性5人に1人が強姦や性的虐待の被害者となっている。また、3人に1人の女性が自分のパートナーから物理的または性的暴力を経験しているという。さらには、女性の7%は見知らぬ人間から性的暴力を受けた経験があり、50%はパートナーから暴力をふるわれた経験があるとしている。(6日付アジェンシア・ブラジルより)
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