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話しこむ特別委員会のリラ委員長(左)と、アナスタジア報告官(右)(Moreira Mariz/Agencia Senado)
話しこむ特別委員会のリラ委員長(左)と、アナスタジア報告官(右)(Moreira Mariz/Agencia Senado)

大統領罷免=リオ五輪前の決着ならず=審議短縮案は退けられる=最終投票は8月15日前後か

 【既報関連】上院罷免審議特別委員会のライムンド・リラ委員長(民主運動党・PMDB)は6日、同委員会での審議を短縮する方針を覆し、当初の予定通り、罷免派の弁論とジウマ氏弁護側の弁論に15日ずつ取る事を決めた。これにより、罷免審理の最終投票は8月にずれ込むと7日付伯字各紙が報じた。
 罷免審議短縮案に関しては、先週2日に開かれた委員会で、罷免推進派と大統領派で意見が対立していた。リラ委員長は同日、シモーネ・テベッチ上議(PMDB)による、罷免派、弁護派の弁論を5日ずつとするべきとの提案を採用する意向を表明していた。
 停職中のジウマ大統領の弁護責任者であるジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ元総弁護庁長官は、大統領罷免審議の責任者であるリカルド・レヴァンドフスキ最高裁長官に審議短縮を認めないように請願し、同長官も短縮を認めないとの意向を示していたという。情勢を察したリラ委員長は6日に、審議短縮はしないとの立場を表明した。
 6日の委員会の冒頭、リラ委員長は審議を短縮しないとの決断は周辺と話し合った末のものである事を、出席の上議達に告げた。
 リラ委員長には、ジウマ大統領支持派より賛辞が送られたが、ラヴァ・ジャット作戦を妨害したとして短期間で閣僚を2人も失ったテメル大統領代行の「傷口が広がらない内にジウマ大統領罷免の決着を付ける」という思惑はくじかれた。
 6日の委員会では今後の日程を承認した。それによると、ジウマ大統領の証言は6月20日に予定されている。しかし弁護団はジウマ大統領が個人的に現れるかは決めていない。
 弾劾裁判を行うべきか否かについての報告書は7月27日に特別委員会で投票にかけられる予定だ。報告書が承認された場合は上院本会議で朗読後、8月1、2日の上院本会議にかけられ、審議の末、採決される。
 この報告書が本会議でも出席者の過半数の賛成を得て承認された時は、レヴァンドフスキー最高裁長官が取り仕切る罷免審理が始まり、48時間以内に罷免派の弁論、それに次ぐ48時間以内には大統領弁護側の弁論がなされ、それから10日以内に罷免審理の最終投票が行われる。ここで81人の全上議の3分の2にあたる54票の賛成が集れば、ジウマ大統領の罷免成立となる。