リオ五輪委員会が7日、リオ州のジカ熱感染者は急速に減っており、オリンピックとパラリンピック開催期間中に感染する危険性は限りなくゼロとの見解を発表した。
リオ五輪公式サイトによると、医療班のジョアン・グランジェイロ氏は「4月以降のジカ熱感染者は急速に減少中だし、開催期間中は気温や湿度が下がるため、ウイルスを持った蚊が発生する可能性は低い」という。
ジカ熱患者は約60カ国で確認されているが、ケンブリッジ大学が4月に行った研究によると、オリンピックとパラリンピック期間中にジカ熱に感染する観光客は1~2人に過ぎないという。
リオ大会向けのテストイベントは、14年8月~16年5月に44回開催された。暑い時期も含めて参加した選手は約7千人で、8千人のボランティア、1千人の委員会関係者も参加したが、ジカ熱感染は皆無だった。
リオ州保健局も、ジカ熱を媒介するネッタイシマカが媒介するデング熱の患者は、気温や湿度が高い3月と4月をピークに発生が減り、7~9月の感染はまれだという。サッカーの試合が行われるブラジリアやサンパウロ市、マナウス、ベロ・オリゾンテ、サルバドールでもジカ熱感染者は減少中だ。
ただし、寒くて乾燥する時期は無防備で良いわけではなく、五輪関連施設では大会中も夏同様、溜まり水の有無のチェックを毎日行う。選手村での検査は1日に複数回行われる予定だ。
また、大会に参加する選手団や観光客には、到着時と出立時にジカ熱感染回避のためのオリエンテーションも行われる。五輪委員会広報担当のマリオ・アンドラーダ氏は「我々の任務は選手と祭典、競技の安全を保障する事」と明言した。
世界保健機構はこれに先立ち、虫除けを使い、色の薄い衣類を着る事や肌の露出を抑える事を推奨。ジカ熱は性行為での感染例もあるため、大会中や帰国後8週間は避妊具を使うか性行為を避ける事、妊婦は感染の可能性が高い地域への旅行を避ける事も勧めている。