7日に発覚した、民主運動党(PMDB)の要人4人に対する連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官からの逮捕請求を受け、テメル政権や、上院でのジウマ大統領の罷免審議の行方への影響が注目されている。8日付伯字紙が報じている。
レナン・カリェイロス上院議長、ロメロ・ジュカー前企画相、ジョゼ・サルネイ元大統領の3人は元トランスペトロ総裁のセルジオ・マシャド氏による盗聴暴露でラヴァ・ジャット作戦を妨害しようとした疑惑で、エドゥアルド・クーニャ下院議長は停職中も下院に干渉しようとしたとしてジャノー長官から逮捕を請求された。
だが、4人はいずれも「ばかげている」「恥ずべきこと」として問題にしない構えを示した。
そもそも、この請求は最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事に対して秘密裏に行われたものが情報漏洩で報じられた形となっており、同最高裁のジウマール・メンデス判事も漏洩されたことに憤りの発言を行っている。
政界関係者たちは、「検察側の何者かが最高裁に圧力をかけたがっているのではないか」と見ているという。
ただ、野党に転じた労働者党(PT)側も今回の件では慎重で、テメル暫定政権を攻撃する姿勢は見せていない。それはマシャド氏の録音ではラヴァ・ジャットへの具体的な妨害行為の痕跡は見られず、最高裁側が逮捕の許可を出さないだろうと見ているためだ。
なお、ジウマ大統領の弁護団が、現在行われている上院での大統領罷免審議で、マシャド氏の録音を弁護の資料として用いることへの許可を求めた請求は最高裁によって却下されている。
ただ、PMDBの要人たちに逮捕請求が出たことは、同党のテメル大統領代行にとっては不安が残る材料となっている。もしも、レナン議長が逮捕されれば、代行はPTのジョルジ・ヴィアンナ上議となる上、ジウマ大統領の罷免に関する態度を保留中の上議も相当数いるからだ。
上院でジウマ氏が罷免されるためには、上議81人中3分の2の54人の賛成が必要だが、エスタード紙の調査では、現時点での賛成は37人、反対は18人で、まだ予断を許さない。テメル氏としては、不利な情報が出てくることで、賛成票を減らすことは是が非でも避けたいところだ。
8日、テメル大統領代行は暫定政権になってから初となる企業家たちとの会合を行い、100人を超える企業家たちと会談した。テメル氏としては、財界を味方につけることで暫定政権の基盤を固め、ジウマ氏の罷免審議で有利になるよう、アピールしたいところだ。
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