バイーア州サルバドール市とサンタカタリーナ(SC)州フロリアノポリス。両者の物理的距離は2600キロだが、両者の失業率の差は著しく、両州の失業率には10%ポイント近い差があると12日付エスタード紙が報じている。
ブラジル地理統計院の労働収益部門コーディーネーターのシマール・アゼレード氏は、「両市の現実は全く異なる。経済発展の歴史の違いが、不況時の人々の振る舞いに影響している」と語る。
バイーア州の第1四半期の失業率は15・5%で110万人の失業者がいるが、SC州は6%、21万9千人のみだ。
サルバドール市では夜明け前から職を求めたり失業保険の列に並んだりする失業者が絶えないが、SC州で第1四半期にもっとも求人の増えたブルメナウ市では人手不足が起こっている。
同州の経済構造を知ると、不況下での対策のあり方について理解しやすい。「SC州の経済は一極集中型ではなく、州全体に拡がっており、産業部門のバランスも良い」と言うのはグラウコ・ジョゼ・コルチSC州工業連盟会長だ。別の専門家は「SC州には、他に比べて一つだけ重要な市も一つだけ重要な産業部門もない」と述べた。
失業率17・4%のサルバドール市は、不況のあおりをもろに受けている。サンパウロ総合大学(USP)経済学部教授セルジオ・サクライ氏は、W杯用スタジアムや幹線道路整備などの公共工事終了の痛手だけでなく、全国的な不況の影響を強く受けていると見ている。