最初の移民船「笠戸丸」がサントス港に到着してから108年――朝から日伯司牧協会によるサンゴンサーロ教会での慰霊ミサ、県連主催の先没者慰霊碑前の法要に続き、午後からブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)とブラジル仏教連合会(コレイア教伯会長)による「開拓者先亡者追悼法要」が同大講堂で行われた。今年は18日が週末土曜日だったこともあり、何れの行事も例年より若干多めの参加者となった。
文協での追悼法要には県人会や日系団体代表者らを中心に約200人が参列し、先人に感謝の念をささげた。在聖総領時間やJICA、援協、県連、釈尊讃合会、ブラジル仏教婦人連盟など多数の団体が後援した。
式典は午後2時に始まり、釈尊讃仰会の佐藤雅江会長による挨拶の後、美和会、深山会による琴や尺八の演奏が流れる中、茶道裏千家ブラジルセンターが献茶を、ブラジル生け花協会が献花した。
続いて尾畑文正導師、諸僧、稚児らが会場後部から厳かに入場し、三帰依文復唱、焼香を行った。尾畑導師は挨拶で「仏教の宗派に関係なく一堂に会し、こうして供養の誠を捧げることができてありがたい。これからも続けていきたい」と先亡者への苦労と参加者へ感謝した。
仏教連合会のコレイア教伯会長は、「煩悩の数と、数珠の珠数の基本は108です。そして今年は移民108周年。私たちはこの〃数珠〃を一周しましたが、もう一周できるでしょうか? この一周の間に先亡者の方々は、数々の苦難を乗り越えてきました。先亡者に感謝しつつ、更なるお祈りの精進を誓いましょう」と先亡者への感謝と、今後の日系社会の発展を祈願した。
呉屋文協会長、中前隆博在聖総領事、JICAの那須隆一所長、「移民の祖」水野龍の息子・龍三郎氏などに加え、共催・後援団体の代表者らもあいさつし、先人の苦労と貢献に感謝すると共に、日系社会の発展に努力することを誓い、祭壇に手を合わせた。
諸僧による読経が行われる中、参拝者らが焼香を行った。
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