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リオ警察=予算3割減で窮状に陥る=賃金や修繕費さえも払えず

 リオ州市警薬物犯罪部のフェリピ・クーリ警部と部下11人は20日、装甲車でリオ市マレー地区ヴィラ・ド・ジョアンに潜入したが、装甲車が故障。身動きの取れない装甲車は犯罪者達の一斉射撃の的になった。1時間半後に救援部隊が到着すると、装甲車は別の装甲車に繋がれて撤退。同州警察が窮地に陥っている様子を26日付エスタード紙が報じた。
 「警察は理性故ではなく『犯人許すまじ』との感情で動いているが、もう限界だ」と、市警特別部隊長のロナウド・オリヴェイラ警部は語る。
 リオ州は今年、保安対策費を32%削減。保安活動に甚大な影響が出ている。市警は燃料を配給制にし、巡回車両数を削減。他州への出張も控えている。各警察署も、証人や参考人を召喚した取調べは週1、2日しか行えない。ヘリや装甲車も保守契約が守れず、宝の持ち腐れ状態だ。
 同州内の市警達は未払い分の残業代の支払いを求め、28日に市警本部前でデモを行う。同州政府は先月、半分を払ったが、残りは支払いの目処さえ立っていない。
 17日の財政非常事態宣言発令後、連邦政府は29億レの対治安部門緊急支援を発表したが、ジョゼ・マリアノ・ベルトラメ州保安局長は、慎重な姿勢を崩さない。「これをどう使うかは思案のしどころだ。私の一存で使えるなら、給与や諸設備の保守契約の支払いにあてる」と語った。