28日、連邦警察の新しい作戦「ボカ・リーヴリ」が行われ、14人が逮捕された。今回の作戦は、文化省(MinC)が認可し、ルアネー法の対象とされた文化活動にまつわる不正を調査するもので、過去20年間に1億8千万レアルの資金が横流しされたと見られている。28日付伯字紙サイトが報じている。
今回の作戦はサンパウロ州の連邦警察が2014年にはじめた捜査に基づいたもので、124人の警察官がサンパウロ州やリオ、ブラジリアに派遣され、14人を逮捕した。また、37カ所で家宅捜索や物件押収を行ったほか、MinCやサンパウロ州文化局に違法なプロジェクトを提出したりするのを避けるため、複数の弁護士らの活動を停止。銀行口座の凍結、不動産や高級車の差し押さえも行われた。
ルアネー法は1991年に制定され、音楽家たちのコンサートや劇団の演劇などの催しへの寄付などを推奨するものだ。これらの文化活動を支援した個人や企業は寄付金分を所得税から差し引くことができるが、今回の作戦はこの制度を悪用した人物や企業をあばくために敢行された。
調べによると、MinCが承認した低所得層の子供向けの演劇や、学校や図書館への図書の寄贈といった提案の多くは実行されておらず、その分の資金が特定企業に向けた有名歌手のコンサートなどに使われた疑いがある。中には、ルアネー法の対象とはまるで無関係な、サンタカタリーナ州フロリアノポリスの海岸での結婚式にセルタネージョの歌手を招いた費用の支払いまであった。
今回逮捕された14人の中には、サンパウロ市の文化企画企業「ベリーニ・クウツラル」の共同経営者、文化企画で有名なプロデューサーのファビオ・ラウストン容疑者らの名前が含まれている。
MinC以外の捜査対象は、デマレスト法律事務所、スカニア、ロルドン、ロボラトリオ・クリスタリア、インテルメジカ・ノートル・ダム、KPMG、ロージャス100、ニコメド・プロドゥトス・ファルマセウチコス、セシル等の企業だ。
現時点では、今回の作戦で容疑のあがった特定の政治家や俳優、歌手などはいない。だが、近年では、俳優や歌手でスイスに隠し口座を持っている人が大勢いることも報じられており、同作戦第2弾以降の展開も気になるところだ。
MinCはテメル暫定政権が5月12日に発足した際、教育省に統合という形で廃止される運びになっていたが、労働者党(PT)やルアネー法との結びつきが強い芸能界からの強い反対などもあり、廃止を急遽取りやめた経緯があった。
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