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サンパウロ市寒波=避難場所2つ増設も人少なく=路上生活者の保守気質影響か

 【既報関連】サンパウロ市政による寒波対策としての緊急避難用テント設営が続いている。21日に建てられた中央部ガレリア・プレステス・マイアに続き、28日にはヴァレ・ド・アニャンガバウーと東部のモオッカでもテントの運用開始と29日付エスタード紙が報じた。
 6月にサンパウロ市を襲った寒波で路上生活者5人が死亡し、批判を受けたフェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)は、緊急避難用テント設置を公約した。しかし、午後6時から翌朝7時まで利用でき、犬小屋や廃品回収用のリヤカーを置くスペースさえあるテントは、路上生活者を呼び込めずにいる。
 250人収容可能なアニャンガバウーのテント(当面は50人収容)周辺では、多くの路上生活者が寒空の下で夜を明かしているが、テントに向かう人はおらず、情報を求める人さえいない。初日の利用者は0だった。「路上生活者は保守的で、テントが本当に快適で他人に邪魔されないか知るまでは動かない」と言うのは、同地に2週間暮らす社会福祉員のロメロ・バルボーザ氏だ。
 2週間前に運用が始まったプレステス・マイアのテントの利用状況も芳しくない。収容人員は500人だが、利用者は145~310人だ。
 運用2日目から同所に住むレオナルド・サントス・マルチンスさん(30)は、「朝7時に起きるなんてまっぴらという人もいる。毛布交換がないのは問題」という。