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失敗は隠せが常套手段に=警官が銃を車に放り込む?

 【既報関連】6月27日未明にサンパウロ市東部で起きた車の追跡劇で、学生のジュリオ・セーザル・アウヴェス・エスピノザさん(24)が亡くなった事件で、警官が偽供述を行った事を示す証言が出ていると6月29日付G1サイトなどが報じた。
 27日の追跡劇は、サンカエタノ・ド・スル市とサンパウロ市とをまたぐ形で行われ、サンパウロ市ヴィラ・プルデンシアで事故を起こして停車したジュリオさんの車には、軍警9発、サンカエタノ市警備隊7発の計16発が撃ち込まれた。ジュリオさんは頭部に被弾し、28日未明に脳死が宣言された。
 この事件では、軍警や市警備隊が「車中で閃光が見え、銃声を聞いたから応戦」と供述、車中にあったという銃と白い粉を市警に提出していた。
 ところがその後、「銃撃戦はなかった」「警官が車に入り込んで中から発砲した後、その銃を車の中に放り込んだ」との証言が出てきた。目撃証言によると、警官達は現場の写真やビデオを撮る事を禁じ、携帯電話のスイッチを切るように命じた上、「携帯で撮影しようとしたりしたら壊す」と脅したという。
 同件は市警殺人課が担当、軍警とサンカエタノ市警備隊の双方も監察局が調査すると発表した。
 サンパウロ市では、6月2日の追跡劇で10歳少年が射殺された件でも、一緒にいた11歳少年が銃を現場に持ち込んだのは警官と供述、追跡車両からの銃撃に応戦したとの警官側の供述に疑問が持たれている。
 リオ市では6月28日に、15年9月に起きた17歳の少年射殺事件で少年に銃を持たせて現場を改ざんしたとして逮捕されていた軍警5人を、条件付で裁判まで保釈する判断が下った。
 同市では6月30日夜も、16歳少年がポップコーンを手に歩き出した途端に銃声が響き、少年が倒れたと思ったら連続射撃が起きるという事件が発生。警察は被害者は犯罪者と警官の銃撃戦に巻き込まれて死亡したというが、住民は皆、「銃撃戦などなかった」と証言している。