8月5日のリオ五輪開幕まで残り1カ月となったが、リオ五輪組織委が開催地立候補の際に公約した環境保護公約は全く守られていないと3日付フォーリャ紙が報じた。
グアナバラ湾浄化計画は目標値の半分にも達せず、ジャカレパグア湖は悪臭を放っている。「大西洋岸森林への苗木の植林」といった簡単な公約さえ果たされなかった。「ロドリゴ・デ・フレイタス湖を湖水浴ができるほどに浄化する」は完全に手付かずだ。
計画書には、「ブラジル民の環境保護意識の向上、環境保護設備、交通機関、競技施設などを〃五輪遺産〃として残す」事が南米初の五輪開催の意義として記されていた。
公約全体を見た場合、環境保護関連の達成度が最も低い。交通機関に関しては、主要公約は達成されている。
五輪組織委は今、昨年9月に発生したジャカレパグア湖での魚の大量死が起こらないよう、運を天に任せた状態にある。
環境局は当時、大量死の原因を、湖底に沈んでいた有機物が強風で混ざり、有毒ガスが発生したためとしていた。6億7300万レ規模の浄化計画は、入札時にカルテルの嫌疑をかけられ、中断したままだ。
グアナバラ湾の下水処理問題も、五輪の環境対策失敗の象徴的存在として認知されている。七つの浄水施設が建てられ、浄水率は16%から48%に上昇したものの、下水を処理施設に導く配管設備の不備から、浄水率は頭打ちとなった。
ロドリゴ・デ・フレイタス湖の水質は、五輪開催決定当初の09年以来改善されたが、湖水浴が楽しめる程にはなっておらず、もはやその目標は放棄されている。
交通システム整備に関する工事は遅延が発生しているものの、開幕までには間に合う見込みだ。
専用バスレーン交通システム(BRT)と地下鉄4号線は、観客輸送の面から五輪開催には不可欠で、国際五輪委(IOC)は常に組織委に対し、完成を急ぐように圧力をかけてきた。
バーラ地区とトム・ジョビン空港を結ぶ専用バスレーンは、14年W杯前に完成した。バーラ地区とデオドーロ地区を結ぶ線も開幕前の開通には目処がついた。
リオ市南部イパネマ海岸と西部バーラ地区を結ぶ地下鉄4号線は、8月1日に運行開始とリオ州政府は発表している。
五輪を契機にリオ市内の公共交通網が拡大された事により、リオ市民の公共交通手段利用率は、それまでの19%から62%に上昇するとリオ市は見ている。